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肥満の原因、解明進む 早食い・夜遅い食事にデータの裏付け

2011/11/16 日本経済新聞 朝刊

 昔から早食いや、夜遅くに夕食をとるのは体によくないとされ、肥満を招くといわれてきた。最近の研究でも裏付けるデータが得られている。時間をかけて規則正しく食事をとるのが一番だが、日々、忙しいとなかなかそうもいかない。ちょっとした工夫で食習慣を改善できるケースもあるので、試してみてもよいだろう。

 40代男性Aさんの昼食はたいてい10分以内で終わる。忙しい平日だけでなく休日も食べるペースは速い。家族からは「もっとゆっくり、味わって食べて」と忠告されるが、早食いが身についてしまい、そう簡単には直らない。体重は20代より約10キロ増えた。

満腹中枢と関係

 厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、太っている人の割合は男性で3割、女性で2割に達する。一方、エネルギー摂取量は低下傾向が続く。肥満の原因は摂取エネルギーや運動だけでなく、食習慣や食行動も関係しているとみる専門家は少なくない。

 東京大学の佐々木敏教授らは若い女性約1700人を対象に、自己申告してもらった食べる速さと肥満度の関係を調べた。「とても遅い」から「とても速い」までの5グループに分けると、食べるスピードが速いほど肥満度も高まっていた。名古屋大学の豊嶋英明名誉教授らが実施した中年の男女約4700人を対象にした同様の調査でも、結果は同じだった。

 佐々木教授は「早食いが太るもととなっているのは疑いようがない」と指摘する。ではなぜ太るのか。

 一般的に考えられている説が脳内の満腹中枢との関係。食べた物が胃にたまると、その信号が脳内に伝わる。しかし早食いの人は満腹だと思う前に必要以上の量の食べ物を口に入れてしまう。大阪大学の磯博康教授らの調査によると、早食いでおなかいっぱいに食べる人は、そのいずれにも当てはまらない人より肥満になる確率が高かった。

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