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エコノ探偵団

もう1つの名刺持つ人、増えてる?専門生かし社会貢献 エコノ探偵団

2011/11/14 日本経済新聞 プラスワン

「名刺交換すると、2種類差し出す人に出会うようになりました」。会社員の友人の話に探偵、松田章司の目が光った。「もう一つ名刺を持つのはなぜだろう。勤務先が2つあるということかな」。早速、調査に飛び出した。

まず向かった先は、働き方を調査研究する独立行政法人の労働政策研究・研修機構(東京都練馬区)。「2つの会社を掛け持ちする人が増えたのでしょうか。景気低迷で給与が減ったという理由が思いつきます」。章司の質問に郡司正人さん(50)は「多くの会社は社員の副業を禁止しています。内緒で別の仕事をしているなら、ばれないように名刺は作らないと思いますよ」と言い切った。

ボランティア用

本業ともう一つの名刺を同時に差し出す(東京都世田谷区)

「残念、仮説は間違っていたか。実際に持っている人を探すしかないぞ」。街で聞き込みを始めると「私は2種類あります」との返事。声の主、池田陽平さん(27)が取り出したのは厚生労働省と「プロジェクト結」の名刺だった。プロジェクト結は東日本大震災の被災地に本を贈ったり、ボランティアを派遣したりして、子どもたちに遊びや学ぶ機会を提供する団体だ。

「厚労省としてできることに加えて、一人の人間として協力できることがあると、現場に立って知りました」。復興を後押ししたいと汗を流す池田さん。「業務に支障のない範囲でがんばれと、役所も応援してくれます」

福吉隆行さん(27)が持っていたのは、勤務する日本政策投資銀行と「ソーシャルベンチャー・パートナーズ(SVP)東京」の名刺。特定非営利活動法人(NPO法人)などに資金を援助したり、運営ノウハウを伝えたりするのがSVPだという。「銀行には報告済みです。ここでの経験を本業にもぜひ生かせれば」。福吉さんは話す。

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