腸内の「善玉菌」 効果的に増やす食生活

漬物やみそを

このように善玉菌が増えやすい食事をした上で、必要に応じて善玉菌を含む食品を取ると効果的。なじみが深いのはヨーグルトや「ヤクルト」などの乳酸菌飲料だ。外から取り込む生きた善玉菌は腸に着く前に死ぬことがあるが、特定保健用食品(特保)の表示があれば、便の中でも生きていることを国が審査済み。また、1日の摂取量も明記されている。

一方、日本の伝統食である漬物やみそにも豊富に乳酸菌が含まれている。海外の食品ならキムチやザワークラウトでもよい。こうした植物由来の乳酸菌に詳しい東京農業大学の岡田早苗教授は、「乳製品のように脂肪や糖分を含まず、食物繊維を同時に取れるメリットがあるが、塩分の取り過ぎも良くないので、塩を使わない長野のすんき漬けなどがお勧め」という。

最近はうま味調味料を使った漬物も多いが、乳酸菌は減るので注意したい。自分で作る場合は、毎日しっかりと混ぜて、腐らないようにすることが大切だ。

摂取した乳酸菌は便として排出されるので、お通じの調子が良くない人は適量のヨーグルトや漬物などを毎日食べる方が良いという。日本人が1日に出す便の量は平均で125~180グラムだが、肉中心の欧米人だと100グラム以下に減る人が多い。食生活が改善されると、これが200~300グラムまで増えるという。便の色は黒みがかった色から黄土色になれば、善玉菌が増えてきたことになる。

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死んだ乳酸菌でも効用

最近は「腸まで生きて届く」と強調する食品が多い。実は死んだ乳酸菌であっても、がんの抑制や感染症の防止など、免疫力を高める効果があることは、光岡名誉教授の研究で明らかにされている。なじみの深い製品では「カルピス」が殺菌された乳酸菌を含む。

生きて届いた乳酸菌の働きはもっと大きく、「腸内の悪玉菌を抑制する働きを高めてくれる」(岡田さん)という。特保の表示が1つの目安になるが、カゴメの乳酸菌飲料ラブレのように、「生きて届くことを確認しているが、製品の改良を迅速に行うために特保を取得していない」ケースもある。

漬物やみそから摂取する場合は、65℃以上に温めると、乳酸菌が死んでしまう。抗生物質を飲むと体内の乳酸菌を殺してしまうことも知っておきたい。

(稲川哲浩)

[日経プラスワン2011年10月29日付]

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