エアコンと併用、節電できる暖房
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「機能+おしゃれ」高評価
電力の供給力不足が懸念され、この冬も引き続き節電が求められそうだ。家庭の暖房機器として主に使われているのはエアコンだが、エアコンだけだと足元が暖まりにくいこともあり、必要以上に設定温度を上げてしまいがち。冷えを感じやすい足元を効率的に暖める、こたつや電気カーペットを利用すれば、より快適に暖まることができる。どんな商品がいいのか専門家に選んでもらったところ、省エネ機能の充実した商品が上位に入った。
こたつの1位になったのは山善の平面パネルヒーターこたつ。従来の中央部分にヒーターがある機種と違って、天板の裏側全体がヒーターになっていて、こたつ内を均等に暖めることができる。暖めるムラがなくなるので、ムダな電力を使わず、消費電力を抑えられる点が高く評価された。4位のエコタツも同様の平面パネルのタイプだ。
電気カーペットの上位は省エネ機能が充実したタイプが並んだ。1、2位を独占した富士通ゼネラルは、消し忘れを防止する自動オフタイマーやセンサーで室温が上昇したときに自動的に温度を下げるなど、節電につながる機能が充実している。総合得点では2位になったが、1位にあげた選者の数では「HC-20AWA」の方が多かった。
機能面のほか、インテリア性が向上したことを評価する声も多かった。今回、候補に挙がったこたつの中には、高級感のある一般家具と遜色ないものも多かった。ある選者は「しばらくこたつは使っていなかったが、久しぶりに買ってみたいという気になった」と話していた。
実は、暖房の効率が一番高いのはエアコンで、こたつや電気カーペットを併用するとトータルの消費電力が増えてしまうこともある。ただ、部分的に暖めるには向いているので、少人数で部屋にいる時や、すぐに暖まりたい時など、状況に応じて、使い分けたい。
調査の方法 大手家電量販店で取り扱いのある主なメーカーの上位モデルを2つまで集め、こたつ11機種、電気カーペット13機種から上位5位を家電に詳しい専門家に選んでもらった。こたつは家族3~4人の使用を想定。電気カーペットは2畳タイプ。選者は次の通り(敬称略、五十音順)
江沢正之(価格比較サイト「コネコネット」家電担当)▽岡田正(ヤマダ電機第一商品本部理事)▽神原サリー(家電コンシェルジュ)▽嘉村彩菜(ビックカメラ有楽町店季節家電担当)▽じゅんいち(家電情報マガジンWHITE@管理人)▽長恵理子(「家電批評」編集者)▽土村利夫(リック「IT&家電ビジネス」編集部記者)▽室井辰夫(ヨドバシカメラマルチメディアAkiba家電グループリーダー)▽矢野きくの(節約アドバイザー)▽山川文子(消費生活アドバイザー)
ホットマット・充電カイロ…1人用も多彩
暖房時にムダな電力を使わないコツは、必要な範囲だけを暖めることだ。家に1人でいる時は、エアコンで部屋全体を暖めるより、自分の周りだけを暖めたほうが省エネにつながる。1人用の暖房機器も1万円未満でも様々なものが出ているので、活用したい。
ホットマットは、小型のホットカーペットのようなもので、寝転んで使うのに適した大きさ。さらに小さい、座布団サイズのものもある。USBでパソコンにつないで使えるものなどもあり、オフィスで利用してもよさそうだ。スリッパ状の穴に足を入れて暖める足温器は、冷えやすい足元を暖めるのに向いている。
節約アドバイザーの矢野きくのさんのおすすめは充電式のカイロ。電力使用量の少ない夜間に充電しておき、昼間に使う。一度使ったら発熱し続ける使い捨てカイロと違って、不要な時はスイッチをオフにしておけるのも便利だ。「カイロ用のベルトでおなか回りを温かくしておくと、エアコンの温度を上げなくても快適に過ごせる」(矢野さん)という。
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