「自分で戻す」禁物

また、肩鎖関節脱臼の場合は、若い人でも腱板が損傷していることがある。診察した医師がエックス線撮影しか実施していないと、骨の状態は分かっても腱板の損傷を見逃してしまうおそれがあるという。若い人の腱板は中高年に比べて厚いが、かなり痛む場合は腱板損傷の可能性がある。

このほか、池上講師は「専門医の診察を受けるまでは、はずれた肩を自分で元に戻さないでほしい」と指摘する。元に戻そうとしたときに誤って骨折することがあるほか、はずれた状態を撮影したエックス線画像の分析から、腱板などほかの部位を傷めているかどうか推定できるからだ。

肩を傷めたらまず冷やし、動かさない。反対側の手で肩に触り神経がまひしていないかを確かめておいてから医療機関を受診する。医師とはどのような治療を選択するか、よく相談して決めることがポイントだ。回復してからは日常の動作に注意したり、競技を続ける場合はプレースタイルを見直したりすることも重要という。

(編集委員 鹿児島昌樹)

[日本経済新聞夕刊2011年10月21日付]

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