SASの危険性について啓発活動をする特定非営利活動法人(NPO法人)の睡眠時無呼吸症候群ネットワーク(東京都杉並区)副理事長の渡辺了之さんは「全国に約200万人の患者がいるとされている」と語る。

患者は医師の治療を受けた方がいい。同ネットワークや日本睡眠学会のホームページで医療機関が紹介されている。顎を前方に突き出させるマウスピースや、マスクから空気を送り込み喉を広げる装置「CPAP」などの治療法がある。いびき対策のサプリメントも販売されている。渡辺さんは「医師とよく相談して個人の状態に合わせた治療をすべきだ」と訴える。

いびきは放置していても自然に治ることはないという。眠りが浅いと太りやすい体質になるので、ひとまずいびきの症状を改善し、ダイエットに励む。それが自分自身のためにも家族のためにも大切だ。

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身近な人が気をつけて

夫のいびきが原因で別室で寝たことがある妻は47%――。帝人在宅医療(東京都千代田区)などが運営するSAS広報委員会のアンケート調査でこのような結果が出た。多くの妻が夫のいびきを不快に感じていることがうかがえる。

調査は2011年2月に20~60代の既婚女性1千人から回答を得た。夫のいびきの頻度を聞いたところ、「毎日(慢性的に)」が36%、「ほぼ毎日」が40%と8割近い夫がいびきをかいていることが分かった。別室に寝ることが「頻繁にある」は30%、「たまにある」は17%だった。

悩んでいても実際に夫のいびきを治そうとしている妻は少ないようだ。いびき防止予防グッズなどを購入したことがあるかどうかは「全くない」が72%で、「たまにある」の15%を大きく上回った。受診などを促した経験がある人も少なかった。SAS広報委は「いびきは自分で気付かないこともあり、身近な人からのアプローチが重要」と呼びかけている。

[日経プラスワン2011年10月15日付]

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