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エコノ探偵団

音楽CDが復権? 配信時代になぜ エコノ探偵団

2011/10/19 日本経済新聞 プラスワン

「音楽CDの売れ行きが持ち直しているようです」。近所の大学生の話に探偵の松田章司が興味を示した。「音楽のデジタル配信が普及して、CDは売れなくなったと思っていたのに」。小学生の伊野辺詩音と2人で調査に出かけた。

PB商品のCD「ザ・ベスト・バリュー999」が並ぶTSUTAYA新橋店の売り場

まず、レコード会社の業界団体、日本レコード協会を訪ねた。担当者は「国内レコード会社が録音した邦楽CDの2010年の生産枚数は1億6495万枚で前年比2%増えました」と説明してくれた。前年を上回ったのは12年ぶりだ。アイドルグループAKB48のシングルのほか、いきものがかり、嵐などのアルバムが100万枚以上売れた。

金額ベースでは同5%減と依然マイナスだが、10%以上の減少が続いた08~09年に比べてやや持ち直している。今年は3月の東日本大震災の影響で発売延期が相次いだにもかかわらず、邦楽CDシングルの生産枚数が1~8月の累計で前年同期比18%増だという。

章司が電子情報技術産業協会(JEITA)の統計を調べると、CDプレーヤーの国内出荷台数はもっと増えていた。10年度の出荷台数は81万7000台で前年度比14.7%増。3年連続の増加だ。

1人で何十枚も

「実際にCDを買っている人に話を聞かないとね」。2人は東京・渋谷のCDショップに足を運んだ。木村直美さん(26)は「配信も利用しますが、自分の大好きなアーティストはCDを買います」という。特に、DVDや写真集など「特典(オマケ)」付きのCDは魅力だという。AKB48が5月に発売したシングルCDは、応援するメンバーに投票できる「総選挙」の投票券を付けたところ、1人で何十枚も買ったファンも多かった。

「音楽よりもオマケが目当てなのかな」。章司と詩音の2人は、今度は東京・新宿のCDショップに向かった。会社員の河合健司さん(48)は「同じCDを何枚も買うことはしませんが、大好きなロックや落語のCDなどを1度に何枚も“大人買い”することはよくあります」という。

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