団地を高齢者の医療拠点に 建て替え機に併設

老朽化した都市近郊の団地の建て替えを機に、診療所や訪問看護ステーションなど高齢者医療拠点の併設が注目されている。住民は「通院が楽になった」「医療も介護も相談しやすく安心」と歓迎。開業医の研修を行うなど、団地を中心に地域の在宅医療を整備する試みもあり、高齢化をにらみ、安心して老後を迎えられる環境づくりが進んでいる。

「移動が楽で安心」

団地に住みながら、診療所と同じ建物内に住む夫と一緒に通院する臼井たま江さん(中)(千葉市稲毛区)

「夫は以前は訪問診療を受け、薬などは病院まで車で取りに行っていた。ここは同じ建物に診療所があるので車いすでも移動が楽だし、いざというとき安心」

臼井たま江さん(68)は建て替わった千葉市稲毛区の団地「グリーンプラザ園生」(226戸)に今年8月に入居。夫の新七さん(77)は、団地内の医療と介護の複合施設「生活クラブ風の村いなげ」内の高齢者専用賃貸住宅で別に暮らす。

新七さんは2年前に脳梗塞を発症。たま江さん一人で介護してきたが限界を感じていた。偶然、医療・介護施設のある同団地を知り、空き室があったため転居を即決。たま江さん自身、以前に乳がんを患い血圧も高いため、夫婦で診療所に通う。「先生とは同じ屋根の下に住んでいるようで気心も知れている」と喜ぶ。

2005年度までの団地建て替えで戸数減や高層化に伴い生まれた土地を、高齢者向け施設として活用する事業者を都市再生機構(UR)が公募。生活協同組合を母体とする社会福祉法人が運営する、診療所のほか訪問看護ステーションやデイサービスも併設する「風の村いなげ」が8月に開設した。

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