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要介護で単身・低所得…住まいの不安どう解消

2011/10/13 日本経済新聞 朝刊

NPO法人ふるさとの会が運営する高齢者らのための自立援助ホームで過ごす渋谷さん

社会の高齢化に伴い、介護が必要になる人が増えている。そのなかには低所得者や、独り暮らしの高齢者も多い。頼れる家族やお金があれば老後の不安は減るだろうが、そうでなければどこに住み、どう暮らすことができるのか。だれもがある程度安心して老いることができる社会はつくれるのだろうか。

渋谷四郎さん(83)は2010年、東京都内の駅のホームから転落し、救急車で墨田区内の病院に運ばれた。白内障のために目が見えなくなったのだ。3カ月ほど入院し、さて退院となったとき、行き場がないことに気づいた。

30歳で離婚してから独り暮らし。正社員として働いたこともあったが、知人に誘われるなどで転職を繰り返すうちに時が流れた。昨年までの15年ほどはビル管理会社で清掃の仕事をしていたが、住まいを借りるだけの収入や貯蓄はなく、都内の知人宅に居候。目が不自由なまま戻るわけにもいかず、仕事も辞めた。きちんとした年金もない。

生活保護費で工面

自立援助ホームの外観(東京都墨田区)

墨田区の福祉事務所から病院にやって来た職員は、渋谷さんとまず生活保護の受給を検討。そして、住まいとして特定非営利活動法人(NPO法人)「自立支援センターふるさとの会」(東京・台東)が墨田区内で運営する「自立援助ホーム晃(あきら)荘」を紹介した。

ここはアパートを改築してつくった、生活に介助が必要で困窮している高齢者らの住まい。3畳の個室18室と共同の食堂、風呂、トイレなどを備える。同会の職員が一日中常駐し、食事を提供するほか、見守り、服薬の管理などの生活支援サービスを提供。目が不自由な人や認知症の人などでも暮らすことが可能だ。

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