素人でもこんなにおいしく 煎茶の入れ方

緑茶といえばペットボトルかビジネスホテルのティーバッグで飲むくらいの男性記者(36)。これが日本茶の味なんだろうと思っていたが「急須で入れた緑茶にもっとも近いのは……」という緑茶飲料のテレビCMを見て、ふと本物の煎茶を味わいたくなった。そんなにおいしいのか。素人にも入れられるのか。人生で初めて茶葉専門店ののれんをくぐった。

売れ筋だという100グラム1050円の煎茶を勧められて購入した。普通の煎茶より蒸し時間が長い「深蒸し煎茶」といって濃厚な味が出るらしい。「湯を注いで30秒くらいが飲みごろ」と言うので、教わった2人分4グラムを計り、熱湯を急須に注いで待つこと30秒。湯飲みに注ぐと濃緑色が鮮やかだ。しかし、飲むと苦みと渋みだけが口に残る。

「この苦みが煎茶の『おいしさ』なのか」といぶかりながら、次に大型スーパーで別の茶葉を買った。包装の裏に入れ方が載っている。読んでみて「お湯はいったん湯飲みに移し冷ましてから急須に注ぐ」「最後の一滴まで絞る」という方法を守っていないことが分かった。

やかんの湯を湯飲みに入れてから急須に移し、最後までお茶を注ぐとまろやかさを感じるようになった。それでも100点満点の60点程度だろうか。感激するほどではない。



短時間浸出で薄く、長いと甘み消える

「入れ方にコツがあるのかな」。日本茶インストラクター協会東日本ブロック長の奥村静二さんを訪ねた。奥村さんが使ったのは100グラム1050円の茶葉。包装裏で見たのと同じ手順なのに、そのお茶のおいしいこと。適度な苦みと渋み、甘みといった味がバランス良く溶け合い、心地よい残り香が鼻を抜ける。

味を決めるのは主に湯の温度と茶葉の量、浸出時間の3条件。「深蒸し煎茶は湯70度、茶葉1人2グラム、浸出時間30~45秒が目安」と奥村さんはいう。でも渋くて熱いお茶が好きな人がいれば、甘くてぬるいお茶を好む人もいる。目安を押さえた上で3つの条件を変えて、いろいろなお茶の味を探ってみることにした。