2011/10/10

イチからわかる

博報堂生活総合研究所の吉川昌孝さん(46)にも尋ねてみた。「時間をきっちり守る日本の生活では、5分程度の細切れの時間がたくさん生まれます。ゲームをはじめ様々な分野で、この空き時間を活用できるものが支持されています」

数年前は脳を鍛えるトレーニングなど、空き時間で手軽にできる携帯ゲーム機ソフトが人気を集めた。ソーシャルゲームはさらに手軽。吉川さんは、手持ちぶさたになった時に目を留めてもらうため、街のあらゆる場所に広告があるのも日本独特だと指摘する。書店には空き時間を利用した勉強法の本が並ぶ。

事務所で報告を終えたあと、玄輝が「みんなが得意な科目ごとに宿題をして、それを集めれば早く終わるのに」。所長が諭した。「小さな努力を積み重ねると、いずれ大きな花が咲くんだけどな」

(畠山周平)

<ケイザイのりくつ>参加も離散もスピード速く

同じモノやサービスを使う人が多いほど、その魅力が高まることを経済学では「ネットワーク外部性」と呼ぶ。電話をはじめ通信ネットワークを使うものなどでよくみられ、ソーシャルゲームでもはっきり表れる。遊ぶ人が増えるほど意外な行動が出て盛り上がり、参加者が次々訪れるわけだ。

コンピューターを相手に1人で楽しめる従来型ゲームとの違いはここにもある。基本料金を無料にしているのも、使う人を増やして、魅力を高めようとしているからだ。もっとも、飽きられると、人が離れていくスピードも速い。

[日経プラスワン2011年10月8日付]

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