患者の平均は40代だが、高齢者や若者でも発症する。女性が比較的多い。女性は自律神経やホルモンのバランスの影響が出やすく、夜から朝方にかけて激しいせきが出る例もあるという。京都大学の新実彰男准教授は「せきぜんそくと診断がつく人の3~4割は寝られないくらいひどい」と話す。

病気の原因は今のところはっきり分かっていない。ただ患者の中にはハウスダストやダニ、花粉、ペットの毛などの物質にアレルギー反応を起こす例が多い。季節も関係しているようだ。患者が増えやすいのは、スギ花粉が飛び始める春や梅雨、風邪を引きやすくなる冬など。季節の変わり目に風邪をひき、せきが長引いてせきぜんそくになるケースが多い。

国内では正確な統計はまだないが、患者数は年々増えているようだ。京大病院呼吸器内科の調査によると、慢性的なせきに悩まされる患者の半数がこの病気だった。ぜんそく患者は国内に約500万人いるといわれ、予備軍のせきぜんそくもかなりの数に上ると専門家はみている。

他人には感染せず

正確な診断にはまず問診。せきだけでたんは出ないか、朝方や夜間にせきが出やすいか、アレルギー性の病気を持っているかなどを確認する。家族など周りの人にも同じ症状があるかを調べ、百日ぜきなど感染症とも区別する。せきぜんそくは感染症ではないので、人にうつることはないという。

エックス線やコンピューター断層撮影装置(CT)などによる胸の検査も重要。肺炎や肺がんなどが隠れているケースもあるからだ。気道の収縮の仕方から患者か判定できる場合もあるという。診断にはぜんそく治療に使われる気管支を広げる薬を投与する手法も有効だ。この薬が効けば、せきぜんそくと絞り込める。日本呼吸器学会のガイドラインでは、異常な呼吸音を伴わないせきが8週間以上続いたり、気管支拡張薬が効いたりした場合を簡易診断の基準としている。

ただし自己判断は禁物。せきが出る程度ならばかかりつけのクリニックでもよいが、それでも症状がよくならずせきが続く場合は専門医を受診するのが確実だ。

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