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正しい歯磨きの効果は 10日間続けてみると…

2011/10/7 日本経済新聞 プラスワン

 「歯、磨いて」「ちゃんと磨けた?」。朝食を終えた6歳の息子を歯磨きに追い立てながら、ふと我に返った。「そういう自分こそちゃんと磨けているとはいえない」。記者(44)の歯磨きは10代からこのかた、ざっと歯の裏表をこするだけの完全な自己流。ここは正しい磨き方を教わり、来るべき老境に備えなければ。

 「まず専門家に学ぼう」と立花デンタルクリニック(東京都港区)の歯科医師、立花智子さんを訪ねた。東京都歯科医師会で母子保健医療常任委員会の委員を務める、歯磨き指導の専門家だ。「40代初めは歯磨きを見直すいいタイミングです」。歯垢(しこう=プラーク)が招く歯ぐきの炎症が問題になるのがこれからの年齢なのだという。

歯1、2本ごとに細かく30回振動

 歯の根元を支える歯槽骨は年齢とともに劣化する。一方で40代も半ばになると20代、30代より体の抵抗力が落ち、歯ぐきに炎症が起きやすくなる。こうした歯の回りの組織を壊すのが歯垢に潜む細菌だ。放置すれば歯槽のう漏を患って大切な歯を失いかねない。

 歯並びは個人差が大きい。自分の歯に適した磨き方を立花先生に聞き、正しく磨けているかを数日後に確認・評価をしてもらうことにした。

 基本は歯ブラシの毛先をしっかり歯に当て、歯ぐきではなく歯を磨く。「歯を」磨くことで歯と歯の間、歯と歯ぐきの間にたまる歯垢がとれる。1~2本の歯に毛先を当て、細かく振動させるように30回ほど動かすのがコツだ。

 指導を受けた後の週末の朝。鏡の前に陣取り、歯磨き剤を付けず上の前歯2本から磨き始める。ところが教わった通りに1~2本ずつ磨くと、思った以上に時間がかかる。10分が過ぎると口を開けっぱなしでいるのが苦痛になってきた。

 そのうちに歯ぐきから出血した。ただ「歯ぐきで炎症を起こしている部分から歯磨き時に出血するのは気にしなくていい」(立花先生)そうだ。ブラッシングで歯垢がとれ、歯ぐきの状態が改善すれば出血も止まるからだ。結局、歯の表裏、奥歯の最奥まで磨き終えた時は21分が過ぎていた。

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