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食欲の秋、脂肪燃やしやすい体にするには

2011/9/29 日本経済新聞 プラスワン

秋がやってきた。猛暑で細った食欲が回復すると同時に、秋の味覚も次々と登場してきた。つい食べ過ぎてしまいがちな季節だが、肥満予防に大切なのは脂肪を燃焼しやすい体をつくることだ。最近では体内の脂質代謝の研究が進み、体の脂肪を燃焼しやすくする生活習慣のヒントが分かってきた。

いうまでもなく肥満の原因は食べ過ぎにある。一日に体が消費するエネルギーよりも多くを取れば、余った分が体脂肪に蓄積される。これまで脂肪組織は単なるエネルギーの貯蔵場所だと考えられてきたが、どうやらもっと重要な役割を果たしているらしい。

筑波大学付属病院内分泌代謝・糖尿病内科の島野仁教授は「エネルギー代謝の研究は、ブドウ糖など糖質が中心だったが、最近は脂質の重要性が増している。脂質代謝の改善は肥満やメタボリック症候群を防ぐ新たなアプローチとして注目されている」と話す。

体内時計正常に

例えば、私たちの体には昼と夜を区別する体内時計の機能があることはよく知られているが、日本大学薬学部健康衛生学研究室の榛葉繁紀准教授は、脂肪細胞において時計の働きを担っている遺伝子に注目し、脂肪細胞の役割を解明した。

榛葉准教授は「この時計の働きによって、脂肪細胞は昼間の活動時間には脂肪を分解してエネルギーを供給し、夜間は余っているエネルギーを脂肪として蓄積している」と話す。

全身のエネルギーのコントロールに脂肪細胞はより積極的な役割を果たしていたのだ。よく「夜遅く食事をすると太る」といわれているが、それもこの機能で説明できるという。

さらに榛葉准教授は、時計遺伝子を壊したマウスでは血糖値を下げるインスリンの働きに異常をきたすことを発見した。それをきっかけに、世界各国の研究者が体内時計とメタボリック症候群に関する大規模な調査に取り組んだ。

その結果、夜昼の区別のない不規則な生活をしている人ほどメタボリック症候群を発症しやすいことが明らかになった。榛葉准教授は「肥満予防には、早寝、早起き、朝食をしっかり食べるなど規則正しい生活をして、体内時計の働きを高めることがなにより大切」と話す。

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