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遺産相続のトラブル 回避するポイント

2011/9/11 日本経済新聞 朝刊

親が残してくれる財産は、厳しさを増す家計のやり繰りの思わぬ助けになることがある。一方で、親の死亡後、遺産の相続や分割を巡り、子供同士がトラブルになる「争族」も目立つ。財産を円満に承継するには、親子がふだんから「公平な承継」を目指した対策を講じる必要がありそうだ。トラブルを回避するための基本的な知識、対策、工夫などをまとめた。

もめない財産承継について専門家に相談するケースも多い(東京司法書士会の相談センター)

「私のもらう分がこんなに少ないなんてひどい」

「兄さんはお父さんからマイホーム資金を援助してもらったはず。その分を考えて分けないとおかしい」

「介護で一番苦労したのは私。その辺りをもっと考慮してもらわないと」

親の死亡後、子供がこんな争いをするのは決して珍しくはない。原因ははっきりしている。「財産の分け方が不公平」(司法書士の船橋幹男さん)だからだ。具体的には「民法で認められた最低限の分すらない」「親の生前贈与や介護など親への貢献度が考慮されていない」といった不公平感が争いを招く主な原因だ。

「争族」を避けるためには、親の生前に不公平感を抱かないような対策を講じておくのが望ましい。親、子供がしておきたい対策や工夫を弁護士らに取材してまとめた。(専門用語などは「知っておきたい基礎知識」を参照)

バランス感覚重要

まず、親の世代。特に60代以降の親は子供への財産の承継方法を真剣に考え始める必要がある。人生80年時代の世代区分を財産形成・運用・承継の面から考えると、50代までは財産の形成・運用中心でよいが、60代以降は「財産をいかに上手に子供の世代に引き継ぐかが課題」(ファイナンシャルプランナーの深野康彦さん)だからだ。

親がふだんから取り組みたいのは「自分の財産・負債を漏れなく把握すること」(深野さん)だ。しかも、子供にわかる形で記録する。資産は不動産、金融資産など資産の種類や商品別に記録。不動産も時価に近い評価額を記録したい。

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