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メタボ対策 体質を見極め、効果的に病気予防

2011/8/18 日本経済新聞 プラスワン

家系よりも環境

また、体質というと気になるのはがんだ。私たちの会話でも「うちはがん家系だから注意しなければ」などと話すが、がん体質は存在するのか。

国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究部の津金昌一郎部長は「世界中で行われた、がんになりやすさを調べる調査や一卵性双生児の研究を見ても、がんと体質との関係は一般に思うより強くはない」と話す。

若くして発症した大腸がんや乳がんでは、遺伝的な要因の可能性を示す研究報告はあるが、その場合でも喫煙、肥満、飲酒といった環境要因リスクよりは小さい。

津金部長は「正確に言うと喫煙習慣や飲酒量は体質と関連しているが、どちらも努力次第で改善できる要素。がん家系を気にするよりも、家庭内や職場などで受動喫煙を防止する対策の方がはるかに効果的だ」と話している。

(ライター 荒川 直樹)

◇            ◇

がんリスク、数値化の試み

体質を含めたがんリスクは、生活習慣によって判断できる。津金部長は世界中の調査を統計学的に解析し、個人ごとのがんリスクの数値化を試みたシステムを開発、予防研究部のウェブ上で公開している(http://epi.ncc.go.jp/riskcheck/index.html)。

システムでは年齢、体格を入力した後、喫煙歴、飲酒量などを入力するだけだ。津金部長は「食道がんなどがんの種類によってはリスクを高める環境要因が明らかになっているが、これらは他のがんに比べて患者数が少ないので、現段階では数値化のメリットが少ない」と話す。

筆者も入力してみたところ将来がんになる危険度は同世代の平均5.2%に対して5.1%となった。次に目標の体重や飲酒量を低くして再入力すると、リスクがどんどん下がっていくことが数値で確かめられた。

[日経プラスワン2011年8月13日付]

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