進化する義手・義足、靴ひも結びや早歩きも

最新情報を交換

高い技術力を持った国内のロボット工学研究者により義手や義足の開発が進む一方で、医療や福祉との連携が弱く患者が先端技術を十分に享受していないという課題もある。

こうした状況を改善しようと、陳医師は工学系の研究者や義手メーカーなどと10年に「全国電動義手研究会」を発足。川村義肢も同年から「義足ユーザー・サポーターズ・ミーティング」として全国各地で医療関係者やメーカー、患者を対象に、義足の最新情報などを交換する場を設けた。

厚労省自立支援振興室の担当者は「義手や義足はユーザーが限られているため価格競争が少なく、高額になりやすい。患者の経済的な負担をできるだけ抑え、より実用的な製品が普及するよう検討を続けていきたい」と話している。

(松浦奈美)

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義肢装具士 養成進む

患者や医師と、義足や義手のメーカーをつなぐ役割として欠かせないのが義肢装具士だ。医師の指示のもと、義肢や体の機能が弱ったときに使う装具を障害者の体に合わせて設計・製作するのに必要な国家資格。義肢装具士の国家試験を実施する「テクノエイド協会」(東京)によると、今年3月の合格者数は過去最高の176人。約10年間で2倍近く増えている。背景には福祉業界への就職に対する関心の高まりや、医療現場で義肢装具士のニーズが増えていることを受け、養成カリキュラムを設ける学校が増えたことがある。

多くは義肢メーカーに所属し、病院の依頼で出向き、作製を請け負う。「日本義肢装具士協会」(東京)の担当者は「患者に適合するものを作るには義肢装具士の資格が生かされる。医者や理学療法士と連携しチームでより良い義肢を提供していきたい」と話す。

[日本経済新聞夕刊2011年8月11日付]

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