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宮崎・美々津 「私も住みたい」白壁の町

2011/8/10 日本経済新聞 夕刊

耳川にかかる昭和初期建造の美々津橋。足元は西南戦争の古戦場

町の北側を流れる耳川も遊び場の一つだ。美々津大橋が完成する前の昭和30年代、対岸との行き来は渡し船だけ。水着姿の町の子たちは大勢で船にしがみつき、船脚を止めるいたずらを何度も仕掛けたという。冬にはシロウオがとれた青々した清流を「蒼(あお)りん蒼りん、しちょったがね」と懐かしむ。

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1836年(天保7年)築と美々津で2番目に古い中町の民家に4年前開業した和カフェ「理庵」(りあん)。マスターの島津理さん(64)は仕事で町を訪れた際にこの家と出合い、ケーブルテレビ会社の経営者などから転身。年中行事の祭りの準備の際、地元の人々があうんの呼吸でそれぞれの役割をこなすのを見て「建物や町並みと同じように住んでいる人の営みが保存されている」と感じたという。

美々津はくまなく歩いても半日あれば足りる。大人と子どもが集まり暮らす生活の良さが引き継がれるのは、これくらいの規模の町なのだろう。

(編集委員 天野賢一)

<旅支度>美しい鉄橋、一見の価値
美々津町の町並み保存地区は7ヘクタール強。南北に3本並行する通りは海側から下町、中町、上町。中町は江戸期建設の町家が多い商人町で旅館も1軒。上町は明治の町家や寺院が多く、休憩・みやげ物販売のまちなみセンターも。観光の問い合わせは日向市観光協会(電話0982・55・0235)。
美々津港の脇には神武東遷御船出の伝説がある立磐神社がある。耳川を約800メートル遡った美々津橋は長さ168メートル、1934年(昭和9年)完成の鋼製橋で、土木史的にも価値が高い。


[日本経済新聞夕刊2011年8月10日付]

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