金の値段どうして上がっているの

「金メダルなんて、すごい!」。サッカー女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」をずっと応援していたケイちゃんが珍しくはしゃいだ。すると、「ピカピカに光り輝(かがや)く金は昔から人間をとりこにしてきたんだ」とつぶやいたお父さんが、「今は世界中で金を買う人が増えて、その値段も上がっているんだ」と話し始めた。

貴重な鉱物、世界中で認められる価値

お父さん 金、銀、銅のメダルは輝いている順というだけじゃなくて、鉱物(こうぶつ)としての貴重さを表す順番でもある。今は中国がいちばん多い世界の金の産出量は年間約2600トンで、約2万2000トンの銀、約1600万トンの銅よりずっと少ない。これまで世界中で掘り出した量も、オリンピックの50メートルプール3杯半ぐらいの量しかないんだ。

ニッくん それだけ?

お母さん 量が少ないうえに見た目の輝きも魅力(みりょく)的。しかも、年月が過ぎても美しさを保ち続けるから、いつの時代もみんなが価値を認める金属なのよ。

ケイちゃん 昔はずっとお金に使ってたのよね。

お父さん 指輪のような宝飾(ほうしょく)品のほかにも、紀元前から金貨として使われていた。19世紀には、各国の中央銀行が金庫に保管する金と同じ額の紙幣(しへい)を「金との引換券」として発行する仕組みができたよ。これを金本位(きんほんい)制度と呼ぶんだ。

ニッくん 今もお札は金との引換券なの?

お父さん 今は違う。世界の経済が発展していくと、各国が準備できる金の量よりたくさんの貨幣が必要になり、それぞれの国が自分の国の経済活動に見合う量の貨幣を発行する仕組みに変わっていったよ。

お母さん 1971年にアメリカのニクソン大統領が「ドルと金は交換しない」と決めてから、世界の主な通貨の価値は金が保証(ほしょう)するのではなく、その国の政治や経済の状況に応じて決まるようになったのよ。