訪ねてみたい戦国武将ゆかりの地
何でもランキング
400年前に思いをはせる
戦国武将を題材にしたテレビドラマやゲームなどの影響もあって、戦国時代に興味を持ち始めた人もいることだろう。本や史料を読むだけでなく、武将たちが、実際に活躍した戦場や居城跡など、ゆかりの地を訪ねてみれば、歴史のロマンをより体感できるかもしれない。専門家や識者におすすめの戦国武将ゆかりの地をあげてもらったところ、城跡や古戦場、寺など、バラエティーに富んだランキングとなった。
戦国時代を代表する3人の武将、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ゆかりの地がランキングに入り、人気の高さを印象づけた。1位の安土城跡は織田信長の最後の居城。当時の建物は焼失し、現在は石垣が残るだけだが、多くの選者がおすすめの第1位にあげた。信長ゆかりの地としてはほかに、岐阜城(岐阜市)や阿弥陀寺(京都市)をあげる声もあった。
2位の関ケ原古戦場は、家康をはじめ、石田三成、小早川秀秋らの陣所跡や、開戦地、決戦地などが点在しており、史跡を巡るハイキングコースとしても楽しめそうだ。
3位には越後の国を統一した上杉謙信ゆかりの春日山城跡が入った。天然の要害を持つ難攻不落の城とされる。謙信は「越後の虎」「軍神」などと称され、ライバルの武田信玄と5回にわたって争った川中島古戦場も6位に入っている。
4位大阪城、9位熊本城はいずれも展示資料の充実ぶりを評価する声が高かった。そのほかの城では、秀吉ゆかりの世界遺産・姫路城(兵庫県姫路市)や北条氏ゆかりの小田原城(神奈川県小田原市)をあげる声もあった。
城跡や古戦場の中には、当時の甲冑(かっちゅう)に身を包んだ人たちが登場するイベントを開催したり、戦国武将の兜(かぶと)や鎧(よろい)のレプリカを試着できたりするサービスを実施するところもある。
東北地方は伊達政宗の仙台城跡
そのほかにも、全国各地に戦国武将ゆかりの名所は多い。東北地方では、伊達政宗の仙台城跡(仙台市)や蒲生氏郷の鶴ケ城(福島県会津若松市)、中部地方では、真田幸村ら真田氏ゆかりの真田氏本城跡(長野県上田市)をあげる声があった。
関西では明智光秀の坂本城跡(大津市)、浅井長政の小谷城跡(滋賀県長浜市)、豊臣秀吉が柴田勝家を破った賤ケ岳の古戦場(長浜市)など琵琶湖周辺に史跡が多い。そのほか、家康に蟄居(ちっきょ)を命じられた幸村が住んだ真田庵(和歌山県九度山町)も。中国地方では福島正則の広島城(広島市)や毛利元就が水軍を使って陶晴賢を破った厳島の古戦場(広島県廿日市市)があがった。
調査の方法 戦国武将に詳しい専門家・識者に、おすすめの戦国武将ゆかりの地の順位付けを依頼した。対象は応仁の乱から徳川幕府成立までに活躍した武将のゆかりの地。選者は次の通り(敬称略、五十音順)
井沢元彦(作家)▽一龍斎貞花(講談師)▽大岩まきみ(近畿日本ツーリスト国内仕入担当)▽大橋成章(戦国時代コミュニティ運営者)▽小栗さくら(タレント・歴史アイドル)▽小和田哲男(静岡大学名誉教授)▽加藤廣(作家)▽鋤柄俊夫(同志社大学文化情報学部教授)▽鈴木智博(戦国魂プロデューサー)▽高松千比己(リイド社総合企画編集室編集長)▽脇田晴子(石川県立歴史博物館長)
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