働き方・学び方

イチからわかる

オリンピックに都市名が付くのはなぜ?

2011/7/20 日本経済新聞 プラスワン

 「2018年の冬季五輪が韓国の平昌(ピョンチャン)に決まったわよ」。新聞を見たお母さんが話しかけると、「1988年夏のソウル五輪に続いて、平昌五輪は韓国で2度目のオリンピックだね」とお父さん。すると、「サッカーのワールドカップは国の名前が付くのに、オリンピックはどうして都市の名前が付くの?」とニッくんが聞いてきた。

都市に開催責任、国の影響力を抑える

五輪の開催が決まり、大喜びする平昌の市民ら=共同

 ニッくん ワールドカップはドイツ大会とか南アフリカ大会って言うよね。

 お母さん 確かにオリンピックと違うわ。日本で開いた大会も夏は東京五輪、冬は札幌五輪、長野五輪だしね。韓国北東部の平昌は、江原道(カンウォンド)平昌郡というのが自治体の名前だそうよ。

 お父さん 五輪の開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)という団体が五輪憲章(けんしょう)という大原則をまとめていて、そこに「五輪を開く責任は都市にある」って書いてあるよ。

 ケイちゃん そうなんだ。でも、国全体で開催する方が盛り上がりそう。

 お父さん 今の五輪は近代五輪といって、古代ギリシャのスポーツの祭典にならって、フランスのクーベルタン男爵(だんしゃく)が提唱して1896年に始まった。当時から「スポーツは国家権力や人種、宗教の枠を超えた自由なものだから、国の影響力を抑えて五輪を開こう」という考え方があった。

 お母さん 五輪憲章にも「オリンピックは選手の競争。国家の競争ではない」と書いてあるのよ。

 ケイちゃん 本当? いつも国別でメダルの数を競争している気がするけど。

 お父さん 自分の国の選手は応援したくなるから、実際は国別対抗戦の感じがあるよね。現実として、国の政治の事情が影響したこともある。モスクワ五輪の時は、当時のソ連がアフガニスタンに攻め込んだことに怒ったアメリカが主導して、たくさんの国が五輪参加をやめてしまったんだ。

働き方・学び方

ALL CHANNEL