ヘルスUP

病気・医療

高血圧、異変は「最低値」の上昇から

2011/7/1 日本経済新聞 夕刊

高血圧は日本に約4000万人いるとされる国民病だ。自覚症状や痛みは伴わないものの、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが高まる「サイレントキラー」だけに注意が必要だ。早めの予防と治療は脳卒中などのリスクを減らせるため、30歳代でも表れ始める兆候を見逃さないことが重要だ。

大阪府吹田市に住む男性Aさん(31)は今春に受けた会社の健康診断で高血圧であることを初めて指摘された。収縮期血圧(最高血圧)の値は132、拡張期血圧(最低血圧)が100だった。日本高血圧学会の診断基準は収縮期を140以上、拡張期90以上としている。拡張期が基準を上回ったためだ。

「高血圧の初期段階。いずれ収縮期の血圧も高くなりますよ」――。滋賀医科大学の上島弘嗣特任教授はこう警告する。長年の診察経験から高血圧はまず拡張期の異常から表れ始める。

高血圧の初期段階に、拡張期血圧の異常が表れるのは疫学調査結果からも明らかだ。高血圧は血管が詰まる動脈硬化が原因だが、20~30歳代の若い頃は血管が軟らかく、動脈硬化による圧力の上昇は吸収され、血液が勢いよく流れる収縮期は血圧が上がらない。ところが血液の流れが緩やかな拡張期は、血管の柔軟性には関係なく、血圧が上がりやすいというのだ。

ただ、40歳代になって血管が硬くなると、これが逆転する。血管の柔軟性が失われて、収縮期では血圧が上がる一方、拡張期は血圧が下がっていく。高齢者は最高血圧と最低血圧の差が大きくなるのは、これが理由だ。

ヘルスUP 新着記事

ALL CHANNEL