季節の贈り物 添え状で感謝を表現
「〈こころ〉はだれにも見えないけれど〈こころづかい〉は見えるのだ」と宮沢章二氏の詩にありますが、お中元をもらった人は贈り主の心遣いが分かります。ですが、品物だけよりも、そこに感謝の気持ちが述べられていたほうが、より心に響くものです。
企業からのお中元にも、会社を代表して社長の名前で添え状が付いてくることがありますが、添え状がある企業のほうに真心を感じるのは私だけではないと思います。それだけでも、その会社のファンになってしまうこともあります。
ファンは日本語に訳すと「信者」という人がいます。信の横に者をつけると「儲(もう)かる」になります。人は感動すると8人に言いますが、反対に嫌なことにあうと16人に言うとか。好印象をもってもらうためにも、お中元に心を添えることをお勧めします。
以前このように書きましたら、小荷物に信書を入れることは法律違反になるという指摘を受けました。信書を送達できるのは郵便事業会社などに限られているからです。百貨店に問い合わせたところ、「カードなどを同封する場合、添え状であれば問題ない」というお返事を頂きました。
宅配便の会社にも確認をしましたら贈り物がメーンでそれに添えるカードに数行のメッセージを書いたものであれば、荷物の添え状として扱われ、一緒に送ることはできるという答えを頂いてホッとしました。
(マナーデザイナー 岩下 宣子)
[日経プラスワン2011年6月11日付]