災害から家族を守る ハザードマップ活用術

自然災害が地域にどの程度の被害を与えるかを示す「ハザードマップ」。東日本大震災を教訓に防災意識が高まるなか、自宅や家族を守るのに役立てたいと考える人も多いだろう。マップの種類は多く、作製しているかどうかも自治体ごとに異なる。読み取った情報をどのように利用するかも分かりにくい。ハザードマップの基礎知識や活用方法をまとめた。

地盤のゆれやすさを示すハザードマップ(東京都の例。東部はゆれやすく、西部の山地はゆれにくい。都ホームページから)

「ハザードマップを確認したことが、購入するマンションを決める基準の一つになった」――。

東京都に住む30代の女性会社員は、約5年前に自宅マンションを購入した。その際、候補として絞り込んだ2つの物件が建つ地域のハザードマップを比較。一方のマンションは大雨が降ると、目の前の幹線道路が1メートル以上浸水する可能性があると分かり、浸水の可能性が低いもう一つのマンションの購入を決めた。

地域に応じて対策

ハザードマップは通常、特定の災害による被害予測を地域別に示した地図を指す。住民の防災意識を高めて実際の被害を軽減することなどを主な目的に、都道府県や市区町村などの自治体が作製する。自治体が指定する一時避難場所や広域避難場所などを記入しているものも多い。

マップは「地震」や「洪水」というように、災害の種類ごとに作るのが一般的だ(表A)。対象となる災害は津波や高潮、火山など幅広い。発生が予測される災害は地域ごとに異なるため、自治体によって作製する種類も異なる。裏を返せばハザードマップの種類を知れば、その地域にある災害のリスクの種類が分かるということだ。

ハザードマップの認知度は高くはない。日本損害保険協会と野村総合研究所が20歳以上の大阪市民を対象に実施したアンケート調査(2009年12月)によると、大阪市が作製した「防災マップ」(浸水被害を予測)を「知らない」と回答した人は65.6%、「市民防災マニュアル」(地震被害の予測など)は68.2%に上った。防災マップを知っている人でも実物を持っているのは27.3%にとどまる(グラフB、C)。

サイトからも入手

そもそも、ハザードマップはどうすれば入手できるのか。自治体が広報物として戸別に配布するのが一般的で、インターネットを通じて、自治体のウェブサイトなどでも閲覧できる。

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