もし大黒柱が倒れたら、「遺族年金」ベースに備え

一家の大黒柱に万一のことがあったとき、残された家族にどんな備えがあるだろうか。家族を心配し、生命保険の加入や増額も考えがちだが、遺族を支える備えはいくつか用意されている。その柱は遺族年金。会社員なら企業年金や福利厚生も頼りになりそうだ。

保険料を払って年金を受け取る公的年金制度は、老後の生活を支えるだけではない。社会保険労務士の望月厚子さんは「公的年金には加入者が亡くなったときに遺族の生活を支える役割もある。それが遺族年金だ」と説明する。

年金制度をおさらいすると、誰もが加入する「1階部分」の国民年金の上に、主に会社員が加入する「2階部分」の厚生年金保険(公務員は共済年金)がある。さらに、企業によっては「3階部分」の企業年金や確定拠出年金が加わる。1階から3階まですべての部分に、遺族にお金が支払われる仕組みがある(図A)。

年収は850万円未満

それぞれの給付内容を見てみよう。遺族年金は1階部分と2階部分で「遺族」の範囲が違い、基本的には誰か1人が受給する(図B)。1階部分の「遺族基礎年金」を受け取れるのは、夫を亡くし、子どもがいる妻で、原則、年収850万円未満の人。あるいは子どもだ。子どもは重い障害がなければ18歳になった年度末まで対象になる。妻を亡くした夫は受け取れない。

遺族基礎年金を受給できない場合は国民年金独自の「死亡一時金」がある。多くても30万円台と金額は限られるが「遺族」の範囲は広く、一緒に暮らす兄弟姉妹も対象になる。

2階部分の「遺族厚生年金」は配偶者と子どものほか、両親や孫・祖父母も受け取れる。夫は妻の死亡時に55歳以上であれば、子どもがいなくてもよい。両親や祖父母も同じく55歳以上であることが条件になる。

妻が受け取る遺族基礎年金は原則的に子どもが18歳になった年度末で終わってしまうが、遺族厚生年金は一部の人(妻が30歳未満で子どもがいないときは5年間で終わる)を除き、再婚したりしない限り一生続く。望月さんは「自営業者は2階部分がない。会社員のほうが遺族年金が充実している」と話す。

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