働き方・学び方

イチからわかる

世界遺産ってどうやって決まるの?

2011/5/18 日本経済新聞 プラスワン

「大震災に見舞われた東北地方の人たちには明るいニュースね」。お母さんが読んだのは、岩手の平泉の文化遺産(いさん)が、東京の小笠原諸島(しょとう)とともに世界遺産に登録(とうろく)される見通しになったという記事だ。お父さんもうなずきながら「平泉は再挑戦だったから、何よりだね」と一言。すると、そばにいたケイちゃんが首をかしげた。「再挑戦って?」

ユネスコの委員会が審査、平泉は2度目

中尊寺金色堂=文化庁提供

お父さん 中尊寺(ちゅうそんじ)の金色(こんじき)堂が有名な平泉の文化遺産は、実は2度目の挑戦だったんだ。3年前に一度、世界遺産委員会からダメ出しされていたからね。

ケイちゃん ダメ出し?

お父さん ユネスコっていう国連機関(こくれんきかん)は知ってるよね。正式名称は国連教育科学文化機関。そのユネスコの中に世界遺産委員会があって、そこで毎年、候補の中から世界遺産に登録するところを決めるんだ。

ニッくん 候補はどうやって選ぶの?

お父さん まず、各国が世界遺産に登録してほしい候補をリストアップして世界遺産委員会に提出するんだ。世界遺産には文化遺産と自然遺産、その2つの性格をあわせ持つ複合(ふくごう)遺産の3つのジャンルがあるよ。歴史的な寺院がある平泉は文化遺産、貴重(きちょう)な生態系(せいたいけい)が残る小笠原諸島は自然遺産の候補だったんだ。

お母さん 空中都市と呼ばれるペルーのマチュピチュは、遺跡(いせき)と周辺の自然の両方の価値が認められた複合遺産よね。

ニッくん 正式に登録されるには?

お父さん 文化遺産なら「人間の創造的な才能を表す傑作(けっさく)」かどうかとか、自然遺産なら「たぐいまれな自然美があるかどうか」とか、世界遺産には登録基準(きじゅん)がある。この基準に合うと判断できた候補から順番に、各国が世界遺産委員会に推薦書(すいせんしょ)を出すんだ。委員会は国際的な専門機関に調査を頼んで、その評価を踏(ふ)まえて世界遺産に登録するかを決めるのさ。

お母さん 平泉は3年前に委員会から「登録延期」と評価されたの。だから推薦書の中身を練り直して再挑戦してたのよね。

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