菅野さんが勧めるのはイスに座ったままでの有酸素運動だ。イスに深く座り、腕を振りながら、座面をお尻で歩くように移動する。前に4回、後ろに4回、これを10分ほど繰り返せば、背骨と大腿骨を結ぶ大腰筋のトレーニングにもなる。もちろん、座面を移動せずに腕振りや足踏みを繰り返すウオーキングだけでも、有酸素運動になる。

「立った状態なら、その場での速歩と上半身のツイスト(ひねり)を組み合わせるのも手」と菅野さん。その場で1分ほど腕を振り足踏みを繰り返してから、上半身を左右水平に大きく回し、次に左右斜め下にひねり、そして左右後ろ斜めにひねる。いずれも20回繰り返し、その場歩きに戻るといったトレーニングだ。

菅野さんが勧める室内有酸素運動のいくつかを左上図にまとめた。「座ってウオーキング、立ってウオーキング、それに体のひねりを加えるなど、自分なりに工夫するといい」という。

景色の変わらない室内で運動を続けるには工夫が必要だ。「運動は戸外でないとできない」と決めつけずに、運動不足解消に努めてみよう。

◇            ◇

夏は熱中症に注意

今年の夏は節電第一。エアコンの温度設定を上げたり、できるだけ扇風機でしのいだりする人も多いだろう。だが、気をつけたいのは熱中症だ。

室内でも湿度が高いと、汗が蒸発せず体温が下がりにくくなる。暑さによって体内の水分や塩分のバランスが崩れれば、めまいや意識障害を起こす可能性もある。特に室内で運動する場合は注意したい。汗が蒸発せずに、したたり落ちるような状況で運動を続けると、熱中症を引き起こすこともある。

室内での熱中症は高齢者に限った話ではない。エアコンや扇風機などを上手に使い、適度な室温と湿度の中で体を動かすようにしよう。

[日経プラスワン2011年5月7日付]