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イチからわかる

「デパ地下」 なぜ食品売り場は地下にあるの?

2011/4/25 日本経済新聞 プラスワン

デパ地下を支えるのは「地下要塞」ともいえる広い厨房(東京都千代田区の大丸東京店)

「それが地下とどう関係するのですか」。キョトンとした表情の2人に、「売り上げを増やすには、大きな面積が必要ですが、増やせる場所は限られています」と永浜さん。「百貨店って昔から建物が同じだと思いませんか。そこに鍵があります」。三菱総合研究所の高橋衛さん(52)が話に加わってきた。

日本の主要な百貨店は、建て替えをしてこなかったため、別の建物か地下などにしか面積を広げる余地がなかった。「あっ、だから地下が好都合だったんですね」。さらに、高橋さんは、80年の地下街爆発事故などもあって地下は安全性が問題にされた時期もあったが、防火施設や耐震補強なども行われ、お客さんの抵抗感が薄れた事情もあると話してくれた。

新鮮さを追求

フードコンサルタントとしてデパ地下にかかわってきた樋口武久さん(51)にも話を聞いた。樋口さんによると、デパ地下ブームで一番変わったのが「中食」と呼ばれる総菜商品の人気の高まり。しかも、新鮮さを求めるお客さんが増え、店内に大規模な厨房設備が必要になってきたという。「デパ地下の裏は今や地下要塞さながらです」

真偽を確かめるため2人は大丸東京店(東京・千代田)に。「地下要塞があるって本当ですか」。玄輝の気迫に重村武秀さん(52)は「分かりました、特別に案内しましょう」といって地下2階の柿安本店の厨房に連れていってくれた。「結構広いですね」。重村さんによると、裏のバックヤードの面積は食品売り場の約半分に相当するという。

三越銀座店も、昨年9月に大改装し、地下4階に大きな厨房スペースをとったと話してくれた。

「売り場拡大は地上では難しいし、大きな厨房も必要だから、地下になっています」。事務所に戻って報告すると、「全フロアを食品売り場にしたらどうなんだ」とまだ納得しなかった。

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