なぜ同時接種が増えたのか。契機は昨年11月に国が「ワクチンの有効性は高い」として費用の半分補助を決めたこと。大半の自治体が追随し、費用負担が軽くなり、接種希望者が急増した。乳幼児の接種ワクチンが増えるなか、通院回数を減らすとの狙いもあった。

さらに両ワクチンは初回は生後2~7カ月の間に接種を始め、約1カ月の間隔で2~3回接種するなど、時期や間隔がほぼ同じで同時接種の割合が多くなったとみられる。製薬会社によると、両ワクチンの出荷量は月20万本程度だったが、国が補助を決めてからは倍のペースだ。

不安あれば単独で

「同時接種で副作用のリスクは高まるのか」。厚労省が3月8日に緊急に開催した専門家検討会では「結論を出すにはデータが足りない」とした。このため同省は死亡例の詳細なデータや海外で同時接種した際のデータなどを収集し、約2週間後の検討会では同時接種で亡くなった7例は「ワクチン接種と直接的な明確な因果関係は認められない」と結論づけた。

例えば宝塚市の2歳男児は解剖の結果から、誤って肺に異物をのみ込んだ結果の呼吸不全と推定。西宮市の1歳女児もウイルスを検出、急性感染症による死亡の可能性があるとした。

死亡報告も海外ではヒブ用は10万接種で0.02~1人程度、肺炎球菌用で10万接種で0.1~1人程度だった。国内では10万接種で0.1~0.2人程度だったため、検討会は「諸外国と大きな違いは見られず、安全性に問題があるとは考えにくい」とした。

ただ、死亡例には重い心臓病など基礎疾患があった乳幼児もいたため、検討会は「重い基礎疾患がある乳幼児は感染症予防にワクチン接種が望まれるが、単独接種も考慮しつつ、医師の判断で慎重に接種する」ことを求めた。

ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント