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東京・表参道 岡本太郎の息づかい感じる

2011/4/16 日本経済新聞 夕刊

岡本太郎生誕100年を迎える今年、企画展が相次ぐ。東京国立近代美術館(東京・竹橋)で開催中の岡本太郎展には20代を中心に若者が詰めかける。没後15年、色あせない岡本太郎の魅力とは何か。東京都内や郊外で、岡本太郎の足跡を訪ねた。

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アトリエ兼自宅だった記念館に並ぶパブリックアートの原型

「何だこれは」。東京・表参道の岡本太郎記念館に足を踏み入れた瞬間、前庭が放つエネルギーに驚いた。南国植物の間に、作品の原型が無造作に置かれる。光を受けて金色に輝く「若い太陽」、手を組んでどっしりと構える黒い「乙女」、草の間からはとぼけた顔の「犬の植木鉢」が顔をのぞかせる。

角の生えた釣り鐘を鳴らし歓声を上げる子どももいれば、座面が隆起した「坐(すわ)ることを拒否する椅子」に腰掛け、のんびり空を見上げる人もいる。

記念館は、アトリエ兼自宅として約40年使われた建物を改装したもの。太郎はこの庭で、大阪万博「太陽の塔」の原型を創作した。「庭いっぱいに白い石こうを飛ばしながらノミをふるっていた。塔の顔は最初は鍋の蓋だった」。太郎のパートナーだった岡本敏子さんのおいで、館長の平野暁臣さんは幼い頃にみた光景を語る。

「彫刻に汗を流していたかと思うとアトリエに飛び込み絵筆をとる。今度は2階に駆け上がり書籍の口述筆記と飛び回っていた」。そんな太郎の息づかいが今なお感じ取れる。

「芸術は路傍の石と同じだ」「作品は銀行預金のようにしまっておくものではない」と語り、芸術を大衆に開放した太郎はパブリックアート(公共空間の芸術作品)も数多く手掛けた。記念館近くの「こどもの城」前に立つ「こどもの樹」も代表作の一つ。走り回る子どもらを温かな目で見守る。

さらに歩いて15分、京王井の頭線渋谷駅には巨大壁画「明日の神話」が掲げられる。縦5.5メートル、横30メートル。メキシコのホテルに設置するため現地で制作したものの開業に至らず行方不明になっていたが、2003年にメキシコ市郊外の町で発見された。

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