香川・小豆島 起伏に富む 山・海の美

「八日目の蝉」の主人公は身の上を隠し訪れた島で、優しい風土と人に安らぐ。「山があって、海がある美しい場所。そしてオープンな人もいい」。海を見渡す山の中腹に02年、キャンプ場を開いたオランダ人のミシェルさんが言う小豆島の魅力だ。併設する「ダッチカフェ・キューピッド&コトン」でオランダ風パンケーキを焼く妻の根本美緒さんは「お遍路さんをもてなす島だからかな」

島の生活が長い人々からも同じ答えが返ってきた。「海が近く、山が近く、水も魚もおいしい」。結婚を機に30年前に大阪から移り住み、映画ロケにも協力した中山知子さんは言う。きれいな山と豊かな海。両者が育んだ島の懐深さは、昔も今も人の心を引き付け、そしていやす。

(編集委員 天野賢一)

<旅支度>しょうゆのスイーツも
小豆島にはフェリー便が高松、岡山、姫路などから多数。島内は、面積152平方キロメートルと広く事前の計画が大切。レンタカーもある。土庄港に近い小島と干潮時につながる砂州は「エンジェルロード」として若者らに人気。
南東部の田浦半島には映画「二十四の瞳」の撮影セットが映画村に。そうめん、つくだ煮など食品産業も盛ん。しょうゆ蔵が多い「醤(ひしお)の郷」は散策や見学も。近年は「醤油スイーツ」各種も人気。観光の問い合わせは小豆島観光協会(0879・62・5300)まで。


[日本経済新聞夕刊2011年3月30日付]