旅行・レジャー

温泉食紀行

鹿児島・屋久島 首折れサバ、鮮度抜群 弾力ある身

2011/3/29 日本経済新聞 プラスワン

そびえ立つモッチョム岳

 山登りをした後に入る温泉は何とも気持ちがよい。それも「世界遺産の島」となればなおさらだ。今回の旅先は、屋久島(屋久島町)。温泉のイメージを持つ方は少ないかもしれないが、とんでもない。南部の尾之間(おのあいだ)地区には古くからの名泉がわく。さらに、沖合で首を折って締めることから「首折れサバ」の異名をとるサバがちょうど白子の時期だと聞き、早春の屋久島へと飛んだ。

 出発の日の鹿児島空港は小雨。屋久島空港は視界不良とのこと。引き返さないことを願いつつプロペラ機に乗り込んだ。無事着いて空港でレンタカーを借りる。世界遺産の屋久島では島をあげてCO2削減に取り組んでいるので、協力しようと電気自動車を借りた。島一周道路を南へと走り始める。突然雨に降られたかと思うとまた青空に戻るという気まぐれな空とつき合いながら約40分。雲の切れ間から尖鋭(せんえい)な岩山「モッチョム岳」が現れたら、尾之間はもうすぐだ。

肌ざわりのいい尾之間温泉

 今晩の宿「四季の宿・尾之間」にまず荷を置く。「夕食は山を見ながらテラスでいかがですか。最高ですよ!」。宿主の溝口健太郎さんが日に焼けた笑顔で出迎えてくれた。森に囲まれたモッチョム岳が迫ってくる素晴らしいロケーションに感動する。

 テラスでいただくサバは後ほどの楽しみに残し、まずは温泉タイム。宿に温泉はないが、溝口さんも毎日欠かさず通うという尾之間温泉の共同浴場へと向かう。宿から車で約5分と近い。この温泉は近隣の島民でにぎわう典型的な地域密着型温泉だ。

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