通勤時もかさばらない弁当箱
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細長タイプ 男性に人気
4月からの新年度を機に職場に弁当を持っていこうと考えている人もいるだろう。最近では男女を問わず、自ら作る人が増えている。電車通勤でもかさばらず使いやすい弁当箱を専門家に選んでもらった。
昔から変わらないように見える弁当箱だが、生活様式などに合わせて変化している。以前と比べて最も違いがあるのが形だ。従来の正方形に近い弁当箱に代わり、細長くて高さがある「スリムタイプ」の弁当箱が売れている。
このタイプの弁当箱の人気に拍車をかけたのが、弁当作りに励む男性の増加だ。男性のかばんは女性のかばんに比べて、底のマチが狭いものが多い。従来の弁当箱だと横向きに入れるしかなく、具材がよれ、汁漏れしやすいなどの問題があった。通勤かばんにも入りやすく、持ち運びやすいスリムタイプは電車通勤向きといえる。
ランキングでもスリムタイプの弁当箱が人気を集め、6、9、10位を除く7商品が入った。「かばんに入りやすい」ことをうたった弁当箱も多いが、パッケージにそのような記述がなければ、幅が10センチを超えるかどうかが、かばんに入りやすいかどうかの目安になる。実際このタイプの弁当箱は10センチ以下が多い。
技術革新もある。その代表が「保温弁当箱」だ。ご飯と外気を遮断する真空断熱容器が従来のガラス製からステンレス製に進化。軽くコンパクトになった。さらに「ここ数年でさらに薄くなっている」(タイガー魔法瓶)という。
購入の際、形とともに確認したいのが、容量だ。NPO法人食生態学実践フォーラムによると、20~40代の男性(身長約170センチ)では900ミリリットル。20~40代女性(同約160センチ)で600ミリリットルが目安になる。弁当箱の大きさに合わせ、ご飯、野菜中心の副菜、肉や魚などの主菜を3対2対1で詰めることが、バランスのよい弁当を作る秘訣だ。
"一芸"持つ個性派も続々
個性派も多く登場している。2010年発売の「HOTデシュラン」(琳聡堂、6980円)もその一つ。直径15センチ×高さ18.5センチと大きめだが、炊飯機能付きで、出先でも100ボルト電源があればご飯を炊ける。一人暮らしなど家庭内で使う需要も取り込み、発売3カ月で1万個が売れた。
関連グッズではパソコンのUSBポートを使って加熱できる「USBあったか弁当箱ポーチ」(サンコー)も人気。保温ケースをUSBに接続すると、中に入れた弁当箱が温かくなる。
丼もの専用の弁当箱も売れている。丸い丼のような形状で、親子丼やカツ丼などを職場に持っていける。すのこやスープ入れも付いている。そばやうどんなども入れられるという。
調査の方法 弁当箱を扱う東急ハンズやロフト、大手通販サイトの売れ筋から、通勤など電車で持ち運ぶ際、邪魔にならずかばんに収まりやすい20商品を選出。実際に専門家に触ってもらい、形状、おかずやご飯の詰めやすさや洗いやすさなど毎日使うことを考慮して、選んでもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。
池上正子(料理研究家)▽今別府靖子(同)▽上原悠子(同)▽河野真希(一人暮らしガイド)▽杉原正規(伊勢丹MD統括部インテリア、キッチン雑貨バイヤー)▽土屋敦(料理研究家)▽野上優佳子(オールアバウト「お弁当」ガイド)▽本間美紀(ライフスタイルジャーナリスト)▽町田えり子(料理研究家)▽安井レイコ(同)▽山本奈緒子(ライター)
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