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災害時 お金どうする? 高額紙幣・小銭両方持つ

2011/3/23 日本経済新聞 夕刊

東日本大震災は、午後2時46分という多くの人が仕事や学校などで外出している時間帯に起きた。外出先で身の安全を確保した後に、まず手にしたいと多くの人が考えるのが、お金。いざというときのための現金などの備えや、大災害時の金融機関の対応、さらに公的な支援制度などを幅広くまとめた。
東日本大震災では金融機関も大きな被害を受けた(12日、宮城県気仙沼市)

大きな地震で電車など交通機関がストップすると、タクシーで自宅まで帰ったり、徒歩で帰るための歩きやすい靴を買ったりする必要が出てくる。「交通が遮断されたときに、ビジネスホテルに泊まれるくらいの金額は用意しておきたい」(岡山県の専業主婦、50歳代)という人は多いはずだ。

電子マネーも効果発揮

一方で、災害時に実際に持っている金額はそれほど多くないのが実情だ。大震災が発生した11日夜には東京都心のオフィスから歩いての帰宅を余儀なくされる人が目立ったが、途中で立ち寄ることができる金融機関のATMはどこも長蛇の列。節約のため、財布に必要最小限の現金しか入れていなかったという女性会社員(40)は、「帰宅途中や翌日以降どこでお金がいるか分からず、不安を感じた」と話す。

外出中に地震などの災害に遭ったとき、どのくらいの現金を持っていれば安心か――。

昨年9月に日本経済新聞の読者を対象にインターネットを通じて聞いたときは「5万~10万円」が34%と最も多く、「3万~5万円」(27%)、「10万~20万円」(21%)が続いた。半面でふだん財布に入っている額は「1万~3万円」という回答が過半数を占め、理想と現実には大きな差があった。

列車の運転が見合わせになり、駅に座り込む帰宅困難者(11日、JR東京駅)

高額紙幣だけでなく、小銭もある程度は持っておきたい。災害後は携帯電話が通じにくくなるため、比較的つながりやすい公衆電話を利用する人が増える。携帯電話の普及でテレホンカードを持ち歩く人が少なくなったことを考えると、頼りになるのは10円玉。今回の地震では被災地で公衆電話が無料で利用できるような措置がとられたが、機種によっては最初に硬貨を投入する必要がある。お札しか持っていないと釣り銭切れで自動販売機が使えないこともある。

また、意外に役立つのが電子マネーだ。携帯電話のおサイフケータイ機能で飲み物などを買えた人も多かった。停電などでレジの決済端末が利用できなくなれば使えないが、決済時に本部との通信が必要なクレジットカードと違い、電子マネーの個々の決済はオフラインで完結する。クレジットカードに比べれば災害時に利用できる可能性は高いといえるだろう。釣り銭切れの自販機でも電子マネーが使えることもある。

「いくらあれば安心」という正解はないが、小銭をまぜて余裕のある現金を持っていること、現金と電子マネーなど複数の手段を持っていることが、災害時には助けになる。

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