玉の湯では、一年を通してクレソンをお客さまに出したいと江藤農園にクレソンの栽培の依頼をした。江藤農園を訪ねて、クレソン畑でクレソンを食べてみた。苦みが爽やかで、シャキシャキとした食感。なんてみずみずしいのだろう。

クレソンを使った草庵秋桜の鍋

「地鶏とクレソンを一緒に焼くとクレソンの苦みが肉に残り、いくらでも食べられますよ」と江藤雄三さんが言っていた。「クレソンはね、白いかれんな花が咲くんだ。かわいいんだ」と。

このたびは、料理がおいしいと評判の草庵秋桜(こすもす)に宿をとった。由布院にある温泉の宿の料理のレベルアップを目指し、総料理長が料理研究会を開催している。夕食には、クレソンがたっぷり入った鍋が出た。クレソンは熱を加えても、鮮やかな緑色が変わらず、食欲をそそる。

由布院が全国屈指のブランド化に成功したのは、カリスマ的なリーダー、溝口さんや亀の井別荘の中谷健太郎さんの力が大きかった。現在は、若手へと受け継がれ、由布院の街をひっぱる。その若手のリーダー格は、草庵秋桜の太田慎太郎さん。

若手がてがけるプロジェクトはたくさんある。例えば、6月、7月に宿泊したお客に、秋にとれる「ゆふいん盆地米」が送られてくるプロジェクト。2010年からはサイクリング大会「ユフインライド」も始まった。

世代を超えてつながっていく由布院。若手がつくる由布院の清々しい未来をまた見てみたいと思った。

(温泉エッセイスト 山崎 まゆみ)

交通 JR久大本線由布院駅下車。由布院玉の湯や草庵秋桜までは徒歩圏内。空路の場合、大分空港や福岡空港からバスがある
温泉 単純温泉。由布院には、日帰り入浴施設や、立ち寄り湯ができる宿泊施設も多い
問い合わせ 由布院観光総合事務所(電話0977・85・4464)。草庵秋桜(電話0977・85・4567、1泊2食2万2095円から)、由布院玉の湯(電話0977・84・2158、1泊2食3万4800円から)、江藤農園(電話0977・84・3225)

[日経プラスワン2011年3月19日付]

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