太ると肝がんリスク高く

肥満は健康を害すが、太ると心臓病や糖尿病だけでなく肝臓がんにもなりやすくなる。脂肪肝が原因の「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」を発症するからだ。肝硬変や肝臓がんへの進行を確実に防ぐ治療法はまだない。メタボリック症候群の人は、とにかく減量に努めたい。

飲酒に関係なく

神奈川県横須賀市在住の自営業、荻田誠さん(仮名、33)は、4年ほど前から毎春受けている健康診断の血液検査で「肝臓の機能がよくない」と指摘されるようになった。飲酒もしないので、「肝臓が悪くなる原因が見あたらない」。医師も首をかしげた。

肝臓の検査値は改善されず、2010年5月、超音波検査を受けた。「脂肪肝かもしれません」と担当した医師から、脂肪肝外来のある横浜市立大学付属病院を紹介され、同年6月、足を運んだ。

荻田さんは身長173センチで体重は80キロ超。まだ30歳代でメタボには該当しなかったが、肥満度をみるBMI(体重を身長で2回割って算出する値)は約27で太り気味だ。腹部に針を刺して肝細胞を採取する肝生検を受けた。1泊の検査入院になったが、今まで耳にしたことのないNASHという病気であることが判明。荻田さんは「肝機能が衰えている理由がはっきりしてよかった」と話す。

肝臓は健康を維持するために代謝や解毒、排せつといった様々な機能を担っている。暴飲暴食やカロリー過多の食生活が続くと、ここに中性脂肪などがじわじわとたまっていき、脂肪肝になる。

日本国内の非アルコール性脂肪肝の患者数は、海外データなどから推計すると約1000万人。うち1割の100万人がNASHとみられている。

慶応義塾大学保健管理センターの横山裕一・准教授らが従業員4000人規模のある会社の超音波検査データを調べたところ、男性の3~4割、女性の1割で脂肪肝が見つかった。確定診断ではないが、BMIや糖尿病の有無、肝機能をみる検査値などから総合的に判断すると、0.5%にあたる約20人が「NASHに間違いない」か「かなり疑わしい」だった。

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