長野・大鹿村 中川村 農村の原風景 名峰や花々、変化に富む

「おらが村ほど景観や文化が素晴らしい所はない」――。こんな自負から特定非営利活動法人(NPO法人)「日本で最も美しい村」連合に加盟する2つの村が、長野県南部に隣接していると旅行通から聞き、訪ねた。大鹿村と中川村。南アルプス、中央アルプスに挟まれた伊那谷の村落には、立ち去りがたい農村の原風景が広がっていた。

◇            ◇


大鹿村の大西公園から見た赤石岳の眺望

中央自動車道を松川インターチェンジで降りて、小渋湖から続く小渋川沿いのつづら折り県道を東に進むと、長いトンネル群の先に谷あいに広がる大鹿村があった。出迎えてくれた村役場の足助義則商工観光係長が、最も眺望が美しいという大西公園に案内してくれた。家並みの向こうに雪をかぶった南アルプスの名峰、赤石岳(標高3120メートル)がくっきり。「一年中絶景だが、公園に約130種類、3000本のサクラが咲き誇る4月中下旬の景色は、白とピンクの色模様が筆舌に尽くしがたい」と、足助さんは胸を張った。

「日本で最も美しい村」連合はフランスで始まった「フランスで最も美しい村」運動にあやかって、北海道美瑛町が「小さくても素晴らしい景観や地域資源を持つ農山村を守ろう」と呼びかけ、2005年10月に大鹿村を含む全国7町村で結成。11年1月時点で39町村が加盟する。

大鹿村は春夏秋冬、どこから見ても美しい風景に加えて、もう一つ大きな特徴がある。大陸プレートと海洋プレートがぶつかり合う関東から九州まで続く大断層、中央構造線の真上にあり、貴重な岩石を観察できる地点だということ。08年12月には南アルプスジオパーク(大地の公園)として他の6地域とともに初の日本ジオパークに認定された。大西公園の南近郊には大鹿村中央構造線博物館があり、「地球の営みや日本列島の成り立ちを目で見て学習できる」(河本和朗学芸員)格好の場所だ。

注目記事
今こそ始める学び特集