今年こそ健康で美しい体をと誓った人も多いだろう。手軽で効果的なのはウオーキング。お供となるのが歩数計だ。計測が正確で扱いやすい機種を、専門家が実際に試用して選んだ。
1 | 740ポイント ウオーク・ノート ジョグプラス WZ540 (セイコースポーツライフ) |
ウオーキングでの利用に加え、付属の専用ホルダーで腕に着けると=写真右下=ジョギング時の歩数、走行時間、走行距離や消費カロリーなども計測。走行データは30回分保持できる。今日の歩数や現在時刻を表示する液晶のトップ画面に1発で戻れるボタン=写真右上=があり、操作がしやすい。 「ジョギングとの使い分けができ便利」(勅使川原郁恵さん)、「ストップウオッチ機能と連動しトレーニングの指標になる」(西村典子さん)、「動作がきびきびしている。ボタンも大きく押しやすい」(山口真弘さん) (1)9万9999歩(2)14日分(3)75×33.5×10.8ミリ、25グラム(4)3980円
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2 | 730ポイント peb スポーツウォーカーTR10(シチズン・システムズ) |
通常の歩行を計るモードのほか、付属ホルダーで腰に着けると、有酸素運動に相当する時速約6キロメートルの速歩きやジョギングの自動計測も可能。通常モードとワンボタンで切り替え表示できる。汗や雨にも強い防水構造。 「液晶のバックライト=写真右下=やドライバー不要の電池交換=写真右上=などあったら便利な機能をきめ細かく備えた」(床井浩さん)、「本体の質感、デザイン、カラーともに良く、アニメーション表示も分かりやすい」(神原サリーさん)、「充実した性能や機能の割に低価格」(武内美香さん) (1)99万9999歩(2)30日分(3)76×26×12ミリ、25グラム(4)4480円
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3 | 610ポイント MT-KT01(テルモ) |
24時間の活動量を1時間単位で棒グラフで表示する=写真右上=ほか、48分前までの活動強度も2分単位で棒グラフ表示。健康づくりに適した活動の強さを「脂肪燃焼ライン」として赤線でわかりやすく示す。速歩きも計れ、目標時間を達成するとバンザイの顔文字を表示。簡易防水(防滴)仕様。 「歩いた距離が脂肪燃焼にどの程度つながったかがビジュアルで示され、運動継続につながる達成感を得やすい」(中保裕子さん)、「丸みを帯びた特徴的な形状。やや厚みもあるが=写真右下、収まりは良い」(山口さん) (1)9万9999歩(2)7日分(3)63×36.5×14ミリ、22グラム(4)4980円
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4 | 540ポイント HJ-205IT(オムロンヘルスケア) |
付属の通信トレーに本体を置きパソコンにデータを簡単に転送。ホームページで健康アドバイスなどを無料で受けられる。「データが自動でグラフ化されパソコンが苦手でも楽に操作可能」(武内さん)、「年配者でも見やすい大きな液晶画面」(勅使川原さん)(1)9万9999歩(2)7日分(3)75.5×33×11.5ミリ、28グラム(4)3980円
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5 | 530ポイント カロリスキャン HJA-306(オムロンヘルスケア) |
独自の演算技術で身体活動すべてを測定。基礎代謝+活動カロリーを午前0時から現在までの総消費カロリーとして表示する。「液晶画面の表示がきれいで、数値を確認するのが楽しくなる」(納富廉邦さん)、「運動効果がある歩数が一目で分かる」(中保さん)(1)99万9999歩(2)7日分(3)78×33×10ミリ、25グラム(4)4480円
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6 | 370ポイント パワーウォーカー EX-700(山佐時計計器) |
全歩数を示す標準モードから3メッツ(別記事参照)以上の活動を計測するモードに専用ボタンで切り替え。両モードを同時計測できる。「メタボ対策に効果的とされる速歩きを測定・表示することで、生活に速歩きを取り入れやすい」(宇山恵子さん)(1)99万9999歩(2)30日分(週別に30週分も可)(3)76×31×10ミリ、22グラム(4)3580円
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7 | 330ポイント FS-500(エステラ) |
フェリカポートに本体をかざしパソコンにデータを転送、ネット上の情報交換サイトで管理。ユーザー同士の交流も。目標歩数に対する達成率を示す機能付き。「目標達成率を『%』『あと○歩』『グラフ表示』の3方法で表示し、歩く意欲がわきやすい」(神原さん)(1)9万9999歩(2)14日分(3)75×33.5×10.8ミリ、26グラム(4)5880円
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8 | 320ポイント ニューバランス50061:HRT フィットプラス(エルスタイル) |
指タッチ式の心拍計に歩数計測機能をつけた運動選手向け製品。50メートル防水で雨天にも対応。「万人向けではないが、高齢者の安全な健康づくりのカギとなる心肺機能の強化に重要な心拍数を手軽に管理できる」(中保さん)(1)9万9999歩(2)―(歩数は累計だけで日単位の表示不可)(3)39×39×14ミリ(ベルト除く)、45グラム(4)1万2600円
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9 | 310ポイント カロリズム スマート AM-121(タニタ) |
1時間ごとの活動量を棒グラフ表示。「掃除の間」「ゴルフのプレー時」など任意の活動の間のみの歩数や消費カロリーも計れる。計測した多彩なデータから見たい数値のみ表示する機能も。「小さく装着時に気にならず、グラフ表示も分かりやすい」(金哲彦さん)(1)99万9999歩(2)14日分(3)55×29×11.8ミリ、23グラム(4)7980円
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10 | 250ポイント デイカロリ EW-NK30(パナソニック) |
減らしたい体重を入力すると1日の目標消費カロリーを自動設定してくれる活動量計。目標達成に必要な歩数を「アト40分」などと表示する。正確な計測のため腰への装着を推奨。「本体色やデザインがかわいく、若い世代におすすめ」(君塚正道さん)(1)9万9999歩(2)14日分(3)45×27.2×12.6ミリ、22グラム(4)3860円 |
最近の主流は上下、左右、前後の動きを感知する「3軸(3D)加速度センサー」で歩数を計る機種。振るとカチカチ鳴る振り子式と違い、腰に着けずポケットやバッグ内でも歩数を計れる。今回の10機種はすべてこの方式だ。歩数に加え、歩行距離、歩行時間、歩行速度、消費カロリー、脂肪燃焼量などを表示する。
1、2位はこれらの基本機能をもれなく盛り込み、液晶表示やボタンが見やすく操作しやすい点が評価された。ジョギングに対応しているのも特徴で、走った時の歩数などを別途計ることができる。
3位はグラフ表示が充実し、活動の成果を実感しやすい。4位と7位は本体で計測したデータをパソコンに転送して管理できる。
家事や仕事で数歩ずつ繰り返し歩いてもカロリーは消費されるが、まとまった距離を歩くウオーキングとは運動の観点から同じには扱えない。このため何歩以上を「歩行」と判断するかはメーカー次第。エステラは連続10秒未満、タニタは7秒未満、シチズンは6秒未満、オムロンは4秒未満の歩行はカウントしない。
一方、家事やデスクワークなどを含めた1日の消費カロリーも表示できる「活動量計」も増えている。2、3、5、9、10位がこのタイプ。活動で燃焼した脂肪量なども把握でき、減量などに役立つことから「30代女性の反応がいい」(タニタ)。ただ、操作が複雑で高価格になりがちなため、自分に本当に必要な機能か見極めも必要だろう。
最近は携帯電話も歩数計機能を備え「歩数を計るだけならケータイで十分」との見方もある。携帯電話との違いを出すため、紫外線の計測機能や防犯ブザーを搭載した機種も出ている。
メタボ対策、必要な運動量は?
メタボリック(内臓脂肪)症候群対策にはどの程度運動すればよいか。その物差しとなるのが、身体活動の強さを示す「メッツ」と、それに時間数をかけた値「エクササイズ」だ。
普通歩行の強さは3メッツで、1時間続けると3エクササイズになる。速歩きは4メッツ、軽いジョギングは6メッツ、ランニングは8メッツだ。厚生労働省の指針では、内臓脂肪を減らすには、速歩きなどの運動を週10エクササイズ以上することとしている。
エクササイズ量を把握できる機種も増えている。歩数と同じように1日単位などで詳細に示す機種から週間累計のみの機種まで、表示できる内容は商品によって違うが、2、4、5、6、7、9位が対応している。
表の見方 数字は選者の評価を点数化。(1)最大計測歩数(2)データ保存日数(本体表示できる分のみ)(3)外形寸法と重さ(4)1月中旬の東京の家電量販店で実勢価格
調査の方法 調査会社GfK Japanが集計した全国有力家電量販店の販売データやメーカー・発売元の推薦などで、14社20機種を候補に選出。日常的に商品に接する販売店担当者は除き、専門家が試用しておすすめを選んだ。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
宇山恵子(医療ジャーナリスト)▽神原サリー(家電コンシェルジュ)▽君塚正道(ウオーキングインストラクター)▽金哲彦(NPO法人ニッポンランナーズ理事長)▽武内美香(ヨドバシカメラ新宿西口本店コンシェルジェ第5)▽勅使川原郁恵(ウオーキングキャスター)▽床井浩(ライター)▽中保裕子(医療ライター/ウエル・ビー代表)▽西村典子(オールアバウト「運動と健康」ガイド)▽納富廉邦(モノ系ライター)▽山口真弘(テクニカルライター)