納得の住まい、欲しい設備は?
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省エネ・"家事楽"で快適
年末年始を住み慣れた自宅や実家でゆっくり過ごし「今年こそ、ここをもう少し快適にできたら」と感じたことはなかったろうか。とはいえ工事を伴い、金額も決して安くないので「失敗したくない」という思いがブレーキをかけがち。そこで家の購入やリフォーム経験者へのアンケートから、導入して良かった設備をランキングしてみた。
回答で目立ったのは「オール電化」(1位)や「複層ガラス」(10位)に代表される「光熱費が安くなった」「冷暖房の利きが良くなった」など省エネ・節約効果への満足。「浴室暖房乾燥機」(2位)「食器洗い乾燥機」(3位)といった「家事の手間を軽くする」"家事楽"ニーズに応える設備も上位に並んだ。
「住まいの設備を選ぶ本」(リクルート)編集長の田中久美子さんは「こうした製品は便利になったと実感しやすい」と話す。実際、省エネ、節約、家事楽は最近のキーワードでもある。
住宅エコポイント制度が2010年に始まったこともあり「エコや省エネに対する消費者の意識が高まっている」(三井のリフォーム住生活研究所所長の西田恭子さん)。また中古を買って手直しするという選択肢が広がり「複層ガラスや断熱材など古い住宅に足りない性能を追加し、長く住めるように手を入れる動きも目立つ」(西田さん)。電力の買い取り制度もある太陽光発電や、お湯の冷めにくい高断熱浴槽なども人気だ。
このほか家事楽関連で人気が出始めているのが、日々の掃除やメンテナンスに関するもの。「汚れにくくするコーティング技術が進歩し、自動で掃除してくれるレンジフードなども出てきており、家事の時短をサポートしてくれる設備は注目」(田中さん)という。
アンケートでは失敗例も聞き、設置当初は便利だった設備の盲点も見えた。1位の「食器洗い乾燥機」は、洗い物の多い大家族には向くが、少人数世帯では使わなくなったケースも多い。2位の「床暖房」は設置方法の後悔が目立った。暮らしてみないと分からないことは多く、百点満点とはなかなかいかないようだ。
調査の方法 インターネット調査を2回にわたって行った。最初に導入して良かった住宅設備にどんなものがあるか、日経生活モニターに予備調査を実施。その結果を基に「その他」を含めて約60項目の選択肢を作成した。
続いて12月上旬、インターネット調査会社のマクロミルを通じて、過去5年以内に戸建て住宅やマンションを新築(注文・建て売り・分譲)で購入した、もしくは建て替え・全面リフォームした人を対象に調査を実施。有効回答数は戸建て、マンションとも各515。以前使っていたものや標準仕様の設備と比べて、使い勝手が良く重宝している設備をあてはまるだけ挙げてもらい、その中から「最も良かった設備」も選んでもらった。同じように「導入して失敗した設備」についても聞いた。
オール電化支持、大半が戸建て派
戸建てとマンションを別々に集計したところ、どちらでも同じように評価されている設備もあったが、違いが明確に出たものもあった。
全体で1位だった「オール電化」を支持した大多数は戸建て。マンションだと購入時にオール電化マンションを選ぶかどうかでほぼ決まってしまうが、戸建てなら建て替えやリフォームを含めて柔軟に対応できる。戸建て9位の「太陽光発電・太陽熱利用システム」も戸建てに多い設備で、オール電化と併せて導入する人が多いようだ。
マンションで支持されたのが「浴室暖房乾燥機」。比較的部屋数が多く広さもある戸建てに比べて、洗濯物を干すスペースが少ないマンションでは「居住空間に洗濯物を干すことを避けるため導入する人が多い」(西田さん)という。「ディスポーザー」もマンション全体で浄化槽などの設備を整えている新築分譲マンションが増えており、マンションでの支持が高かった。
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