大掃除ですぐ役立つ この技
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水回りは「湿布法」が活躍
年末大掃除の時期を迎えた。しかし、何から手を着けていいのか悩んでいる人もいるだろう。すぐに役立つ大掃除の技を、専門家に選んでもらった。
新年を迎えるに当たり、やはり水回りは少しでもきれいにしておきたいもの。ランキングでも15位中9つが浴室・トイレ・キッチン関連となった。中でも1位になったのが、酸素系漂白剤を使った浴室のタイル目地のカビ落としだ。
塩素系のカビ取り洗剤もあるが、この方法はマイルドな酸素系漂白剤を使う。塗っただけで落ちないなら、上から台所用ラップを張り付けておけば、じわじわと薬剤が内部に浸透する。「ただし、カビの色素を残したくないなら塩素系漂白剤の方がおすすめ」(花王の弦巻和さん)
浴室だけではない。水回りの掃除では、ラップやペーパーを使う湿布法が活躍する。15位の温水洗浄便座のノズル掃除もそうだ。便器内の黄ばみにはクエン酸水をペーパーで湿布するといった方法もある。
水回りの代表的な汚れが水あかだ。水に含まれるカルシウムやマグネシウムが吸着して残った状態で、これにせっけん成分が結合するとせっけんカスになる。これらには、弱酸性のクエン酸が有効だ。
重曹もよく取り上げられるが、こちらは弱アルカリ性で、油汚れや皮脂汚れに効果がある。13位のガスレンジの汚れ落としなどに向く。こすり洗いするだけで落ちない場合は、五徳や受け皿など汚れのひどい面を下にして、湯につけ置きすると、油が緩んで落ちやすくなる。
重曹は歯磨き粉と同様、研磨剤としても使える。代用品ばかりではない。「食器用洗剤を十分に泡立て、ティッシュで5~6分湿布するだけで汚れが緩む。台所の大半の汚れがこれで対応できる」(生活コーディネーターの土田登志子さん)ので、身近な洗剤の使い勝手も見逃せない。
調査の方法 掃除のコツや技などの書籍、雑誌、ネットサイトからよく目にする161方法を選び、(1)年末までにやるといい(2)手間なく効果がある(3)身近にあるもので事足りる――という観点から専門家に評価してもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)
岩尾明子(環境NGO「クリーン・プラネット・プロジェクト」代表)▽大岩はつ恵(そうじ力研究会そうじ力マイスター)▽尾崎美樹(フラオグルッペ常務)▽おそうじペコ(掃除研究家)▽加納真由美(ミニメイドサービス教育課)▽佐光紀子(ナチュラルライフ研究家)▽佐藤嘉浩(特定非営利活動法人日本ハウスクリーニング協会)▽土田登志子(生活コーディネーター)▽弦巻和(花王生活者研究センター)
汚れに応じ洗剤選びを
洗剤は使い方を間違うと、素材や皮膚に影響が及ぶこともある。
皮膚への影響が最も少ないのが「中性」洗剤。これで落としきれない汚れには「弱酸性」と「弱アルカリ性」だ。「酸性」「アルカリ性」洗剤はさらに洗浄力が強いが、人体への刺激が強く素材を傷める恐れもあるので、使用する際には気をつけよう。特に酸性タイプは塩素系漂白剤など塩素系の洗剤と混ぜると塩素ガスが発生するので要注意。
こびりついた汚れにはクレンザーだ。界面活性剤に研磨剤を加えたもので、粉末よりクリームタイプの方が粒子が細かく素材を傷付けにくい。「ただし粒子の硬度が素材より固ければ、クリームクレンザーでも傷が付く」(ナチュラルライフ研究家の佐光紀子さん)。樹脂製の洗面ボウルやIH調理器などに使うときは、目立たない部分で試し磨きをしてからの方がいい。
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