静電気と無縁に服を着こなしたい

フリースの上にウールだと4500ボルト

記者愛用のフリースは、ウールや化繊のコート、ブルゾンのいずれと組み合わせても2000ボルトを超えていた。特に静電気が大きくなりやすいと教わったウールのコートとの組み合わせでは、4500ボルトという最大の電圧値だった。

防水仕様の化繊のコートも、表がナイロン、裏がポリエステルという静電気が起きやすい組み合わせになっているため、ほかの上着と比べて高い値が出た。一方、綿を含むコートやブルゾン、キュプラが裏地のジャケットは、静電気がほとんど起きなかった。

スカートとタイツの組み合わせも女性モデルを使って試した。それぞれの素材を入れ替えて、スカートのすそ付近で起こる静電気を測ると、やはり、ポリエステルのスカートとナイロンのタイツの組み合わせでは高い電圧値になった。

快適だったのは、裏地にキュプラを使ったウールのスカートと、シルクのタイツの組み合わせ。シルクが静電気を防ぐことがわかったが、シルクのタイツとポリエステルのスカートでは、少なめではあるが、静電気がたまる結果が出た。

記者のつぶやき
ここ数年、車から降りて取っ手に触ったときのピリッとくる感触に悩んでいた。今回の実験で、最も静電気が起きやすい服を常に組み合わせていたと分かり、情けないような、納得したような妙な気分だった。
実験では、ジャケットやコートを着た状態でラジオ体操を繰り返したが、これが結構ハード。特に重い上着を支える背筋の負担が重く、その翌日は筋肉痛に悩まされた。
(稲川哲浩)

◇            ◇

部屋なら加湿で抑える手も

静電気対策は、服の組み合わせ以外にもある。例えば、ライオンの小林さんは「室内で有効なのは、加湿器などで湿度を上げること」と、教えてくれた。

部屋の湿度を変えて、大きな静電気が発生しやすいウールのコートの中にフリースを着る組み合わせで、ラジオ体操をした後の静電気を測ってみた。

その結果、湿度が40%の場合はフリースの腹部に4000~5000ボルトの静電気が発生したが、湿度が55%の場合は400~1600ボルトにとどまり、大きな差が出ることが分かった。

屋外の対策はどうか。金属の取っ手に触れる時は「綿のハンカチで触れたり、手の甲で触れたりして、まず静電気を逃がしてやる」(東大の小田教授)。指先は感覚が鋭く痛みを感じやすいからだ。スカートのまとわりつき対策には静電気の除去剤を使う手もある。

[日経プラスワン2010年12月11日付]

注目記事
今こそ始める学び特集