みんなで食べたい取り寄せ点心
何でもランキング
熱々ほお張る 弾む会話
これから年始にかけて家族や親戚など大勢が集まる機会が増える。寒い冬、手軽においしく食べられるのが、熱々の中華点心だ。取り寄せができ、みんなで食べるのにおすすめの点心を専門家が試食して選んだ。
中国では点心はお茶と一緒に会話を楽しみながら食べることも多い。日本でも中華まんを中心に独自の進化を遂げて食卓に定着。今回のランキングでは、本場の魅力を残しつつ、日本ならではの工夫を加えたものが上位を占めた。
1位の「和牛肉まん」、6位の「角煮まん」は和風点心の代表格といえる。しょうゆや砂糖で甘辛く味付けされ、とろりと柔らかい和牛や豚角煮は、日本人に親しみのある味わい。「和牛肉まん」について、選者の一人で本場の味に詳しいウェスティンホテル東京の中華料理「龍天門」の陳啓明総料理長は「中華のプロが発想しない面白いアイデア」という。
2位の551蓬莱は台湾出身の故羅邦強氏が創業したが、「豚まん」の味や形は大阪の味の好みに合わせた。台湾の豚まんは小ぶりで具は塩味のきいた高菜やチャーシューが主流。蓬莱ではボリュームを出し、具にタマネギをたっぷり入れ、関西風の薄味にした。
4位の上海食苑の「小籠包」も上海から来た点心師が技術指導しているが、肉は日本人の舌に合う国産を使っている。8位の豚まん工房まるよしは豚まんだけなく、青唐辛子を信州みそであえた「辛子味噌まん」、角煮に野沢菜を添えた「野沢菜入り角煮まん」など、和の素材を使った中華まんじゅうを多く作る。
「点心は様々な食材をバランス良く取ることができる」と点心マイスター協会会長の小林耕二さん。「北方の水ギョーザ、上海の小籠包など各地の味が融合している」ため、中国食文化の縮図のような存在でもある。いろいろ取り寄せ、おしゃべりしながら味比べするのも楽しそうだ。
せいろ蒸し、固くならず冷めにくい
手軽に食べられる点心だが、調理の仕方でおいしさも変わる。小籠包は電子レンジは原則使えないものが多い。肉まんなどにはレンジで加熱できる商品もあるが、「せいろで蒸すのが一番おいしい」(国際中医薬膳師の豊村薫さん)。固くならず、冷めにくい。
小籠包や蒸しギョーザは、底にレタスなどの葉物野菜か、クッキングシートを敷く。説明書の時間通りに蒸すことがポイントで、長すぎると小籠包などは皮がだれて、スープが出てしまう。エビ蒸しギョーザは、蒸す前に霧吹きをかけると「つややかに仕上がります」(豊村さん)。
せいろは雑貨店などで、数百円から手に入る。竹の香りのせいろから立ち上る湯気もごちそうの一つだ。
調査の方法 大手通販サイトや百貨店の売れ筋、専門家の推薦で21品を候補に選出。専門家に送り、試食して選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
aiko*(お取り寄せ生活研究家)▽青柳崇子(日本フードアナリスト協会理事)▽畔田隆弘(伊勢丹食品営業部シェフズセレクションバイヤー)▽小林耕二(点心マイスター協会会長)▽陳啓明(ウェスティンホテル東京 中国料理「龍天門」総料理長)▽豊村薫(国際中医薬膳師)▽野本肇宗(広東料理・香港式飲茶「真不同」店長)▽浜田峰子(料理研究家)▽町田成一(雑誌「dancyu」編集長)▽渡辺幸一(中華料理「ハーデンタイテン」支配人)
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