有料レジ袋、どこまで広がった?

「損さける」心理

「有料化って簡単じゃないね」と2人が話していると「有料化以外に値引きという方法もあります」とセブン&アイ・ホールディングスの小沢立樹さん(38)が教えてくれた。

調べてみると、セブン&アイ系のイトーヨーカ堂やイオン、西友などスーパー大手の大半が、レジ袋が無料の地域でエコバッグの持参者を対象に特典を与えていた。購入額からレジ袋代の2円をその場で割り引いたり、ポイントを付けたりしている。ほぼすべての都道府県に広がっていた。

「有料より値引きの方が私はうれしいわ」という詩音に小沢さんが補足した。「でも有料の方がエコバッグの持参率は高いのですよ」。レジ袋有料の店でエコバッグを持参する客は83%に上る。「2円引き」の店(40%)の2倍を超す。

「違いが出るのはなぜ」。詩音の質問に大阪大学教授の池田新介さん(53)が答えてくれた。「『得をしたい』という感情より『損を避けたい』心理のほうが行動に影響しやすいのです」

「2円引き」の店ではエコバッグを持参しないと割引はないが、レジ袋は無料のため損もしない。一方、レジ袋が有料の地域ではエコバッグを持参しないとお金を払わされ、「損をした」と不愉快に感じがち。それでエコバッグの持参率が向上するのだという。

「スタンプを集める方法も確かあったな」と章司は思い出した。レジ袋を断るたびにスタンプを押し、ある数に達すると買い物券と交換するやり方は昔からある。だがスタンプが集まるまで時間がかかり、その場で特典を受けたという実感がわかないため、あまり喜ばれないという。

実際、ヨーカ堂は昨年12月に「2円引き」を導入するまでスタンプ方式だった。スタンプ1個が5円分に相当したがエコバッグ持参率は18%にとどまっていた。

注目記事
今こそ始める学び特集