電気自動車は主役になるの?

「いろんなメーカーが電気自動車を発売するって。うちも買う?」。新聞を見て尋ねてきたニッくんに「300万円ぐらいするんでしょ」と、お母さんは慎重だ。「でも排ガスが出ない最先端の車でしょ。一度は乗りたいな」とケイちゃん。するとお父さんが「最先端っていうけど、ガソリン車と同じぐらい歴史があるんだよ」と話を始めた。

昔も話題、電池の進歩で今度こそ?

お父さん ベンツの創業者のドイツ人が1885年に最初のガソリン車を造ったといわれていて、その約20年後にアメリカのフォードが大量生産できる車を造ったんだけど、ちょうどそのころ電気自動車も開発されてたんだよ。

ニッくん じゃあ電気自動車は日本にもあったの?

お父さん 戦後まもなくは走ってたよ。今の日産自動車の「たま」という車があったけど、3年で生産をやめちゃったんだ。

ケイちゃん かわいい名前なのに、どうして?

お父さん 車を動かす電池の材料に使ってた鉛の価格が朝鮮戦争の影響ではね上がったんだ。鉛は鉄砲や大砲の弾(たま)の材料だからね。一方で販売が制限されていたガソリンが自由に買えるようになって、電気自動車は造られなくなったんだ。

ニッくん じゃあ、電気自動車はそれっきり?

お父さん その後も脚光を浴びた時期が2回ある。最初は石油ショックがあった1970年代にガソリンが高くなって注目され、1990年代には排ガスゼロを目指す法律がアメリカで成立して、日本でも電気自動車の開発が進んだんだ。

ニッくん でも、それも長続きしなかったわけか。

お父さん 車に積めるサイズで長い距離を走れる電池がなかなか作れなかったからね。

ニッくん じゃあ、どうして今また話題なの?

お父さん その電池の性能がぐっとよくなってきた。今の電気自動車に使うリチウムイオン電池は、鉛電池の3分の1の軽さでパワーもある。環境問題への意識も高まってきたから、今度こそ普及のチャンスだと思っている人もいるよ。