擦り傷で湿疹も

「耳かきには細い綿棒が最適」と説明する笠井院長

最後に何より重要なのが“やりすぎない”こと。耳かきをしすぎて出血し、かさぶたになったころ、かゆみを感じてまたガリガリ。それで出血を繰り返すという人もいる。

また、耳かきによる擦り傷で皮膚や粘膜がただれて湿疹(しっしん)状になると、かゆくていじり、一層ただれるという悪循環になりやすい。「耳だれが耳あかと相まって、余計に耳あかが増えてしまう」(神尾院長)

さらに、手に付着している黄色ブドウ状球菌などが、傷付いた部分から感染し、おできができて痛む場合もある。

湿疹状態が長引くと、空中に舞うカビがすみ着いてしまうことも。こうなると厄介だ。週に何回もの通院が必要になる。かゆみがひどくて、耳あかに黒っぽいものが混じり悪臭がするようなら、カビが疑われる。

耳掃除のしすぎによる弊害は大きい。軟骨部を一度軽く掃除して、それでもガサゴソしたり閉塞感があるなど違和感が消えないようなら、耳鼻科を受診した方がいい。簡単な耳あか除去だけなら1~2分で終わる。健康保険も利き、処置料25点なので自己負担額は3割の場合で75円。外耳道が耳あかで完全にふさがってしまった場合でも同300円で済む。

子どもに耳掃除をしてやる場合も、同様の注意が必要だが、特に周囲に人などがいないことを確認しておく。ぶつかった拍子に手元がぶれ、子どもの鼓膜を傷つけることを防ぐためだ。

また、「子どもの場合は、耳かきではなく必ずベビー用綿棒で」と神尾院長。明るい所で、耳たぶの上を持ち軽く後ろ上に引っ張ると、耳の中が見やすくなる。

ちなみに耳掃除には、耳穴のほかに、耳全体の手入れもある。こちらは入浴で体のあか落としをするのと同様だ。頭や体を洗うついでに清潔にしておきたい。