「明日からまた仕事か……」。日曜日の夜、翌日からの1週間を思い、ついため息をついてしまう人は多いだろう。こんなどんより気分を乗り越え、さわやかに月曜日の朝を迎えるにはどうしたらいいか。日曜夜の過ごし方について、専門家にアドバイスをもらった。
「10分でも20分でもいい。家族サービスなどで忙しい人も、日曜日の夜は、仕事の状況を見つめ直す“ひとり時間”を設けて」。ハイブリッドコンサルティング代表取締役で「スピード段取り術」などの著者、吉山勇樹さんはこう助言する。
どんより気分をつくりだす最大の犯人は、仕事上の問題を“見える化”できていないこと。そもそも憂うつの正体が何なのか、わかっていないこともある。仕事が多すぎてこなす自信がないのか、重要な会議を控え、緊張しているせいなのか。理由がわかっている場合も、対策が不十分だと不安が募る。目先の仕事に追われている人ほど、こんな落とし穴にはまりがちだ。
だが、「日曜日の夜ならじっくり冷静に仕事状況を俯瞰(ふかん)できるはず。入浴後や食後などにスケジュール帳を開く習慣を」(吉山さん)。
まず、翌週の予定を確認し、モレはないか、準備や作業は順調に進められそうかなどをチェック。次に先週、さらに先々週の仕事の流れも振り返ってみる。顧客に企画書を送っていたり、部下に仕事を依頼したりしていれば、翌週、回答や報告が入る可能性が高い。その際、必要になる作業を予測し、スケジュールに組み込む。予定外の対応にあたふたし、計画が狂ってしまうことは多いが、先読みしておけば、あわてずにすむ。
こうして翌週のスケジュールを確認、補完したら、今度は、その中に不要不急な仕事がないか見直してみよう。頼んだ方も忘れているなど、じつはあまり大切ではない案件を抱えている可能性もある。疑問があるものについては、週明けに再調整を図るべく、心づもりをする。「かわりに、自分が重要と考える課題のために時間を取るのもいい。将来の仕事に向けた予定を組めば、『明日から頑張ろう』という気持ちがわいてくるはず」と吉山さん。