生活習慣病、「目の検査」で兆し発見

もう1つは、眼科医が検眼鏡を持って瞳孔から眼底をのぞき込む方法だ。目の奥の広い範囲を観察するために、目薬で瞳孔を大きく広げる「散瞳」をして受ける。眼底の広い範囲をチェックでき、病変の見逃しが発生しにくい。鎌田院長は「自覚症状があったり、糖尿病などの持病を抱える人は健診だけで安心せず、なるべく眼科で眼底検査を受けてほしい」と話す。

眼底検査の効用は目の病気の早期発見にとどまらない。梅毒や、カビが原因で起こる真菌症などの感染症、がんの転移なども早期に見つかることがあるという。

眼底は唯一、体を傷つけずに血管の状態を観察できる場所でもある。目は脳にも近く、眼底にある血管は脳の血管の一部ともいえる。眼底の血管を観察して動脈硬化の状態がわかれば、将来の脳卒中リスクなどを知るのにも役立つ。

実施の機会減る

眼底検査が脳卒中の予兆を知る上で有用なことは、疫学調査でも明確に裏付けられている。大阪府立健康科学センター(大阪市)は1986~89年に眼底検査を受けた秋田県井川町の40~69歳の住民1786人を対象に、2005年まで脳卒中発症の有無を観察した。眼底検査で血管が細くなるなどの異常が見つかった人は、そうでない人と比べて、脳卒中を起こす頻度が高くなっていた。

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