生活習慣病、「目の検査」で兆し発見

目の奥の血管や神経の状態を詳しく診る「眼底検査」。緑内障など中途失明につながる目の病気だけでなく、脳卒中のリスク要因となる動脈硬化なども早期発見できる。通常の健康診断ではあまり受ける機会がないので、専門の医師は、中高年になったら自発的に受診するよう、呼びかけている。

健診で行われるタイプの眼底検査(大阪市の大阪府立健康科学センター)

「40歳を過ぎたら、年1回は眼底検査を受けてほしい」――。上野毛眼科(東京・世田谷)の鎌田芳夫院長はこう話す。緑内障などは中高年になると発症リスクが急に高まる。多くが自覚症状がないまま進行する。手遅れになる前の早期発見が何より大切だ。

目の病気の早期発見に、とくに効果を発揮するのが眼底検査だ。眼底は目の奥の網膜や血管、神経が集まっているところで、検査では瞳孔を通じて眼底に光を当て、血管や神経の様子を観察する。

例えば日本人の中途失明の最大の原因である緑内障は、網膜の神経が束になって脳へと向かう「視神経乳頭」の形状に異常が現れる。また、糖尿病性網膜症では眼底にある血管のコブや出血が目印となる。ほかに加齢黄斑変性症や白内障、視神経の炎症、網膜剥離(はくり)など、様々な目の病気の早期発見に役立つと考えられている。

眼底検査には、大きく分けて2種類がある。1つは眼底カメラを使って眼底の写真を撮影し、後から医師が写真を観察する方法だ。大人数の検査に適しており、健康診断や人間ドックで実施される。

「脳の血管」の一部

1度に多くの検査ができる利点があるが、観察できる範囲は眼底の一部に限られる。東京慈恵会医科大学付属第三病院(東京・狛江)の三戸岡克哉・眼科診療部長は「眼底の周辺部から病変が始まった場合、健診での眼底検査では見逃しが発生してしまうこともある」と話す。

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