猛暑疲れ 効果のあった対処法
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水分・栄養 計画的に補う
各地で戦後最高の気温になった今年の夏。体調が思わしくない人も多そうだ。残暑が続く中で、どうやって猛暑の疲れを取ればよいのか。インターネットで尋ねた。
1位「水分」、2位「食事」となり、多くの人が口に入れるものに効果を感じている。盛夏と同様、今後しばらく続く暑さに負けないことがまず重要だ。
国立スポーツ科学センタースポーツ医学研究部副主任研究員で内科医の小松裕さんは猛暑疲れの原因について「体外流出による水分とミネラルの不足」や「消化機能の低下による栄養不足」があると指摘する。水分だけでなく、飲み物や食事などでミネラルやビタミンを補うことが必要だ。
ただ、食欲がないからと冷たい飲食物に頼ると、胃を収縮させて余計に食欲がなくなる。消化のよい温かなものを取るとよい。
「色の濃い夏野菜はビタミンCやAが豊富なので夏バテにいいが、これからは秋の食材もうまく使って」と女子栄養大学短期大学部准教授の佐藤智英さん。また、食欲がないときは「堅めの梅干し1つを入れてご飯を炊き、ゴマとジャコを混ぜ込めば、栄養バランスも良い」と助言する。
栄養関連に加え「室内外の温度差による自律神経の乱れ」(小松さん)も夏バテの大きな要因。ランキングでも8位に「冷房の温度を高めに設定」が入ったが、難しいのが具体的な温度の設定だ。内外の温度差は5度以内がいいとされるものの、猛烈な暑さだと、快適な室温と外との温度差は5度以上になることもある。その場合、温度差を抑えつつ、体調に合わせて調整するしかないという。
自律神経を整えるには、3位「夜の睡眠」、4位「昼寝」など睡眠も欠かせない。ただ「眠らなきゃいけないと焦るのも逆効果」と小松さん。体を横にするだけでも休息にはなる。自律神経が安定するのを焦らずに待つ姿勢も大切という。
調査の方法 9月2~3日にインターネット調査会社のマクロミルを通じ「暑さ疲れ」について全国の成人男女に尋ねた。有効回答は1030(男女同数)。
猛暑・残暑疲れを改善する方法を講じたかどうか質問。講じたと答えた948人に40の選択肢を示し、少しでも効果があると感じた方法をいくつでも選んでもらい、さらにその中から最も効果を感じる方法を1つだけ挙げてもらった。それらを集計した。「効果があると思ってやったものの失敗した体験談」なども聞いた。
記録ずくめの今夏の猛暑、「9月も夏バテ」62%
今回の調査では、記録ずくめの今年の猛暑で、72%の人が夏バテを実感。そのうち86%(調査対象者全体の62%)が9月に入ってからも夏バテが続いていると回答した。性別や年齢層を問わず、その傾向は同じで、夏バテを全く感じなかった人はわずか6%という数字からも、今夏の暑さの厳しさがうかがえる。
夏バテで感じた症状では「体がだるい」「疲れやすい」「体が重い」「よく眠れない」「気力減退」「食欲不振」が上位を占める一方、「めまい、立ちくらみ」といった症状もあった。
「貧血症を起こしている場合もあるので要注意」と国立スポーツ科学センターの小松裕さん。スポーツ選手でも夏は貧血が多いそうで「発汗による鉄分の流出に加え、特に女性は生理などもある。鉄分摂取を意識した方がいい」と言う。
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