女性の体形の崩れ、予防は可能健康への配慮と体に合う下着を

垂れるバスト、弾力のなくなるヒップ、崩れる体のライン――。女性にとってはこの上ない恐怖だが、年とともになぜこうした変化が起きるのか、詳細は明らかになっていない。ただ、長年の追跡調査から体形の変化には個人差が大きく、健康的な生活と体に合った下着をつけると、ある程度の予防が可能であることも分かってきた。

バストやヒップは長年の重力の影響で垂れる。とはいうものの、人の体の構造に詳しい京都府立医科大学の河田光博教授によると「実はどのようなメカニズムかは、なぞだらけ」。

筋肉衰え脂肪付く

一般的に年を重ねていくと筋肉が萎縮し、代わりに脂肪が増える。特に胸やおしり、ほおなどは筋肉の上に脂肪がのっている構造で、すき間があって脂肪が付きやすくなっている。表面の皮膚も柔らかくなる。「まるで年々重くなる荷物をぶら下げ、一方の引っ張り上げる力は長年の疲れもたまり弱くなっていくイメージ。柔らかくなった皮膚も道づれのように一緒にずり下がる」(河田教授)。

こうした「体形の衰え」はだれもが逃れられないが、朗報もある。

ワコールが100人の女性の体形変化を45年間にわたり追跡したデータを分析したところ、だれもが共通のパターンで変化していくものの、進行度合いには個人差が大きいことがわかった。「すでに20代でかなり進行した人もいれば、40代や50代でも抑えられている人もいる」(ワコールの人間科学研究所の上家倫子研究員)

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